「わたしは皆さんがいるこの世界が好きです」
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には悪影響かとショウキはそちらから引き離すと、お土産を持ってきてくれたらしいシリカの方にプレミアを持っていく。
「プレミアちゃんが気に入ってくれるといいんですけど……」
「あ、それ!」
「ッ!?」
「これは?」
そう言ってシリカがストレージから取り出したのは、赤い毛並みを持った子犬のようなぬいぐるみ。あいにくショウキには見覚えはなかったが、リズを含めた数人からは見知ったような声――と、何故か圧し殺したような小さな悲鳴が誰かから。
「ワン吉のぬいぐるみです!」
「ワン吉……これが……もふもふ……!」
ワン吉、というらしいが。あいにくと名前を聞いても心当たりがないショウキは、ぬいぐるみを受け取ってその感触に感動して打ち震えているプレミアを邪魔しないように、隣にいるリズに視線だけで振ってみれば。彼女にいわく、あるクエストの人気マスコットだそうだ。
「見てください皆さん。これが『もふもふ』です」
「気に入ってくれたみたいですね……」
「はい。ありがとうございました。……アルゴも、もふもふのおすそわけです」
どうやら『もふもふ』にいたく感動したらしく、プレミアはぬいぐるみを抱えながら方々を駆け回り始めた。もはや聞かなくてもわかる気に入りように、買ってきたシリカたち三人は安心に胸を撫で下ろしていて。そのまま『もふもふ』のおすそわけに回るプレミアは、少し離れた場所で立っていたアルゴへと駆けていく。
「アルゴもどうぞ。もふもふです」
「あー……その、いや、オレっちは遠慮しとくヨ。ほら、リズなんかじっくり見てるゾ」
「では、リズは次です。アルゴもこういったものを探していたのではないですか?」
「別に後でいいわよー」
ジリジリとアルゴが下がっていき、それをジリジリとプレミアが追っていく。何やら言い訳に使われたようなリズ当人は、後から来たキリトたちに余っていたサンドイッチを渡していて。ただ断られているのはプレミアにも分かったらしく、どこか寂しげにぬいぐるみを引っ込めた。
「すいません、アルゴ。もふもふがダメなのですか?」
「い、いや……その……だナ?」
「もしかして犬がダメなんですか?」
「な、なあプレミア! ちょっと俺にも抱かせてくれないか?」
要領をえないアルゴに対して、どうやらユイが正解を引き当てたようだ。ただし正解だと確信できたのは、唐突にキリトが乱入してきたからで……キリトからすれば、アルゴを庇うつもりだったのだろうが、あのタイミングで乱入すれば正解だと言っているようなものだ。
「へー、アルゴさん。犬が……ねぇ」
「……キー坊のバカ……」
「え?」
「あの、ショウキ。リズ」
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