「わたしは皆さんがいるこの世界が好きです」
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になっていき、三々五々にアスナとユイへの礼とともにサンドイッチを口に運んでいく。早くもプレミアが三つ目のサンドイッチに手を伸ばそうとした時、カウンターの向こうに店主がログインした。
「なんだ、アルゴじゃねぇか。遂に捕まったのか?」
「ま、アーたんに泣いて頼まれてナ」
「泣いてません! ……エギルさん。キッチンお借りしちゃって……」
「なに、アスナに使ってもらえば店も喜ぶからな……プレミアの方はどうだ?」
「ほら、お茶」
「むぐ……何がですか?」
ログイン直後だが大体の事情は察したらしく、エギルはアルゴからサンドイッチを貰いつつ、何やらプレミアに問いかけた。ただしプレミアに問いの意味は通じなかったらしく、あやうく喉につまらせそうになったところをショウキがお茶を差し出して。
「何がって……部屋に置く小物を買いに行ったんだろ?」
「あ」
「……そういや、最初はそんな話だったナ」
忘れていました――という言葉とともに、プレミアは食べていたサンドイッチを小皿に取り落とした。忘れるというのは機械にとって非常に難しい機能だとか、ショウキは小耳に挟んだこともあったが、目の前の二人を見るにそうは思えずにいた。
――それとも、二人が人間と変わらないということか。
「プレミアちゅわぁんはいるかー!」
そんなショウキの思考を打ち切るかのように、店の扉が勢いよく開くとともに、野太い声が店内に響き渡った。恐らくは店内にいた一同が、全員同じ顔を思い浮かべたであろうが、そこは代表で店主が問いかけた。
「業務妨害なら追い出してやろうか、クライン」
「待て待て。プレミアちゃんが部屋を飾りたてるもんを探してるって聞いてよ、オレが力になりに来たのよ!」
「あんたがぁ……? 大丈夫?」
「そこんところはアドバイザーの先生がいたからよ。なぁ先生!」
「先生です!」
リズの怪訝な声に答えるようにして、クラインの背後から先生――シリカがドヤ顔で現れていた。さらにその背後には頭を抱えるキリトがいて、どうやら話はキリトから二人に伝わったようだ。それはともかくとばかりに、店内に入ってきたクラインたちだったが、やはりまずはアルゴへと目を向けた。
「お、アルゴじゃねーか! 遂にアスナの泣き落としを受けたか?」
「クラインさん!」
「流石はクラインの旦那。キー坊に悪くなるほどの情熱的な抱擁をされてナー」
「『じょうねつてきなほうよう』?」
「プレミアは後でアーたん……師匠に聞いてみナ」
「アルゴさんも!」
「ほら、プレミアこっちこっち」
旧浮遊城のメンバーが揃ったからか、からかわれる側に回るアスナという珍しいシーンが見れて。そろそろプレミア
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