「わたしは皆さんがいるこの世界が好きです」
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女たちがクエストで起きたことを語りだした。ヨツンヘイムに存在した、プレミアのために用意されていたとしか思えないクエストとアイテム、そして事実としてプレミアにしか解読できない秘伝書。クエストクリア後には女神が現れなかったため、さらに問いただすことは出来なかったが、女神ウルズの『プレミアは女神と近しい存在』という言葉。
「それともう一つ。あの子、ヨツンヘイムに落ちそうになってたんだけど……なにか、懐かしそうに手を伸ばしてたのよね」
最後にシノンが感じたこととして、プレミアはヨツンヘイムを懐かしがっていたと。もちろんプレミアはヨツンヘイムになど行ったこともなく、エルフのことや女神のことなども分からないだろう。相変わらず謎が深まるばかりであり、にもかかわらず解決の糸が見えないと、まるでお手上げだった。
「またすごい子を拾ったものね」
「返す言葉もない」
「なに、面白いじゃないカ。感謝してるヨ」
「みなさん、よければどうぞ!」
エルフ、女神、ヨツンヘイム。それらに関わるプレミアの謎に、情報屋の血でも騒ぐのかアルゴの瞳が目に見えて輝いていて。ただしそこにユイとアスナがサンドイッチが乗った大皿を持ってきて、ケットシー二人の耳が無意識だろうがピンと張り出した。
「あらアスナ。どうしたの?」
「そろそろプレミアちゃんが帰ってくる頃かなって。ついでにみんなのも」
「ただいま帰りました」
「ただいまー!」
「これが女子力か……うぐっ」
アスナの予想通りに店の扉が開いたらしく、プレミアが喜びそうなサンドイッチも含めて感服したショウキだったが、口に出したがために隣の彼女からの肘鉄をいただいた。どうせあたしは女子力とやらが低いわよ、などといった言外の威圧に、ショウキも全身から謝罪のオーラを出していく。
「お帰りなさい、プレミアちゃん。今……」
「この匂いは……閃光師匠のサンドイッチですね!」
「師匠……?」
「サンドイッチの匂いってなんだ……?」
面白そうな単語を聞きつけたシノンの追求をスルーしつつ、アスナがサンドイッチを勧めようとする……前に。帰ってくるなりサンドイッチの匂いとやらをかぎ分けて、プレミア……とリーファがトコトコと走ってくる。現実なら手を洗えと母の一言が入るところだろうが、あいにくとここはVR空間による仮想世界だ。机に座っていた一同は自分たちの分のサンドイッチを確保した後、プレミアとリーファに席を譲っていく。
「では師匠、ユイ。いただきます」
「うん、召し上がれ……でも師匠はやめてね」
「どうぞ!」
「お、なんだなんだ。盛り上がってんな」
「よう、エギルの旦那。アーたんの手作りいるカ?」
店内は自然とサンドイッチ食事会
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