第六章
第63話 突入(3)
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の銃口からは、まだわずかに細く白煙が上がっていた。
「お前、それ……」
「さっきの、あの人の……シオンさんのものです。まだ弾が入っていたので、持ってきていました」
そう言うタケルの顔は、やはりどこか寂しそうだった。
「兄ちゃん! 急いで後ろの扉を守ろう。いっぱい来そうだよ!」
その声でハッとする。そうだ。急いで扉を封鎖しなければ。
今さっき、後ろからわずかに聞こえてきた声。それは地下都市の住民のものに違いない。
施錠して封鎖していた最初のポイントが破られたのだ。それで居住区の民間人の一部が、ここに来てしまったのだろう。これから大挙して押し寄せてくる可能性もある。
「兵士さん! お願いしていいですか」
「わかった!」
総裁の一番の側近が自爆した今、この先にたくさんの人間が控えているとは思えない。兵士は六人だけ俺らと一緒に来てもらい、残りは扉の封鎖および防衛にあたってもらうことになった。
自爆した二人をできるだけ見ないようにし、総裁がいるであろう部屋の扉に向かった。
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