機動戦士ガンダム
2220話
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影のゲートでコロニーの港に姿を現すと、そこには俺の予想した通りの光景が広がっていた。
カトンボの周囲には、幾つものミサイルを装備した装甲車がいる。
とはいえ、当然の事だがMSの姿はない。
「え? え?」
クスコの側にいたマリオンの口から、戸惑ったような声が上がる。
当然だろう。影に沈んでいく感覚に戸惑ったような悲鳴を上げていたマリオン――それ以外にも大勢――だったが、気が付けば港の中にいたのだから。
……直接カトンボの中に転移してもよかったのだが、何気に結構人数が多いし、研究所の中から奪ってきた書類やコンピュータといった物もかなりの数になる。
この状態でカトンボの中に一気に入るようなことにでもなれば、混乱するのは明らかだった。
まさか、石の中にいる状態にはならないと思うが、ギュウギュウに押し固められるような事にでもなれば、怪我をしたり、下手をすると死んだりといった事になる可能性も否定出来ない。
そんな訳で一旦カトンボの外、港の中に出たのだが……当然ながらこれだけの人数がいきなり姿を現せば、カトンボを警戒している部隊にも見つかる訳で……
『大人しく降伏しろ! お前達は完全に包囲されている!』
指揮官らしき男が、背後に並んでいる兵士達の銃口をこちらに向けている状況で、拡声器を使って叫ぶ。
その対応は決して間違っている訳でない。
とはいえ、俺が一緒に転移してきた中にはコバッタや装甲車の類もあるので、銃を向けられても特に問題はない。
それに、俺を前にして降伏させようという考えは甘いとしか言いようがない。
軽く足下を踏むと、それで既に召喚の準備は完了する。
俺の影から姿を現す、刈り取る者。
まさに死神と表現するのに相応しい姿に、こっちを取り囲んでいた兵士達は一瞬息を呑む。
そして、一瞬の隙があれば、こちらとしても対処をするのは難しい話ではなかった。
次の瞬間、刈り取る者が放ったマハブフダインによって宇宙にあるコロニーという場所では有り得ない、猛烈な吹雪が生み出される。
恐らく、ここにいる者の中で吹雪という現象を直に経験した事のある者は、皆無か……いても数人といった程度だろう。
とはいえ、俺もこの兵士達を殺すといった真似をするつもりはない。
研究所にいた研究者や、その研究所をこのコロニーに作るのを許可したようなお偉いさんならともかく、ここにいるのはただの兵士でしかない。
自分の仕事を忠実にやるだけ……それも、MSを持つ俺達を相手に、MSを持たないこの連中が立ち向かうのだ。
とてもではないが、そういう連中を殺すといった真似をしようとは思わない。
……まぁ、凍傷とかにはなるかもしれないが。
「う……うあ……」
猛烈な吹雪が消え去った後、残っていたの
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