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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
81話:恋愛模様
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拠は出なかったからクビにする訳にもいかなかったのでしょう。ただ、軍部からすれば大半が平民出身である以上、誼を通じるわけには行かないわね。確認できてよかったわ」

表向きの話はこれぐらいで良いだろう。控室を出て、地上車に乗り込み、二人で過ごすときに使う帝国ホテルのスイートルームへ向かう。あそこは部屋に調律済みのグランドピアノが用意してあるし、私たちが夜を過ごすには最適な場所だ。最初の曲はなににするか?リクエストしてもらったほうが慰めになるだろうか?私の思考は、マグダレーナをより癒すにはどうすべきか?という方向へ加速していった。


宇宙歴791年 帝国歴482年 8月上旬
首都星オーディン リューデリッツ邸
ゾフィー・フォン・リューデリッツ

「お母様、お時間を割いて頂いてありがとうございます」

「良いのよ?フリーダ。この屋敷はずっと男性が多数派でしたから、母娘で過ごす時間がなかなか取れませんでした。そう言う意味では今更だけどもっとこういう機会を持つべきでしたね」

いつもは晩餐の後は遊戯室で過ごすのが習慣になってるが、娘のゾフィーから二人で話がしたいといわれ、私の執務室で話を聞くことにした。思い返せばリューデリッツ伯爵家を繋ぐための政略結婚だったが、夫のザイトリッツは私を愛してくれたし、好きなこともさせてくれた。結果としてRC社の種苗分野の責任者を担うことになったが、母親としての時間はそこまで割いてこなかった。優しい気質と面倒見の良さ、そして料理の腕前を考えれば、娘のフリーダの方が、妻としての能力が高いかもしれない。

「お時間を頂いたのは、私の婚約の事です。お父様が頂いたお話をお断りされていることは知っているのですが、既に心に決めた方がいるので、その方との婚約を認めて頂きたいのです。そしてお父様を説得するのを手伝って欲しいと思っています」

嫡男のアルブレヒトの時は、『家業に適性がないので他の道に進みたい』などという経験が私にはなかったので、狼狽えてしまったが、日頃の様子をなんとなく観ていれば、今回の件は察しがついていた。それにしても娘の恋心まで夫は予想していたのだろうか?さすがにそれは無いだろうが、結果としてはRC社の番頭役として養育されたことが、今回の話をスムーズに進めることになるだろう。

「それで、お相手の方にはもうフリーダの気持ちはお伝えしているのかしら?婚約する事を了承頂いているの?」

「そちらはこれからですが、心配はしていません。まずはお母様に相談して、お父様を説得する所からと思っておりましたの」

「そうでしたか。あまり娘をいじめるのも良くないでしょう。お父様からはだいぶ前に、フリーダが自分から婚約の事を言い出した際には、『RC社の番頭役との縁が深まればアルブレヒトにも心強いだろう』とも『劣
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