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おぢばにおかえり
第四十七話 合格発表その七

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「お婿さん迎えるから」
「養子の因縁ね」
「それが続くわね」
「そうなのね」
「ええ、だからいい人と結婚して欲しいことはね」
「お母さんも思ってくれてるのね」
「そうよ、それが第一よ」
 お母さんにとってはというのです。
「教会を継いでくれるよりもね」
「私がいい人と結婚出来ることが」
「そのことがね」
「教会のことよりもなの」
「千里が幸せになってくれたら」
 またこうってくれたお母さんでした。
「お母さんもお父さんもそれで満足よ、その次よ」
「教会のことは」
「そう、満足してさらにね」
「満足なのね」
「そう思ってるわ」
 ここまで私のことを思ってくれているとは思いませんでした、親というのはそうしたものということでしょうか。
 それで、です。お母さんは私に笑ってこうもお話してくれました。
「あの後輩の子だけれど」
「阿波野君ね」
「彼はどうかしら」
「だからああの子は只の後輩だから」 
 お母さんにもこう言いました、どうも三年生になってから皆にこのことを言ってばかりです。
「何でもないから」
「そうなの?いい子じゃない」
「いい子?何処がよ。何でか同じ奥華で」
 しかもです。
「毎日おぢばで会って神戸でもね」
「あの子ならいいようぼくになってね」
 そしてというのです。
「いい奥さんがいたらいい会長さんになれるわよ」
「全然そうは思えないけれど」
「なれるわよ、だから千里がいい奥さんになって」
「あの子と結婚とか?」
「ああしたいい子とよ」
 私に笑って言うのでした。
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