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オズのエリカ
第八幕その十二

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 その林檎たちを見つつです、エリカは言いました。
「林檎は素敵よね」
「素晴らしい果物でしょ」
「味もいいけれど香りもいいのよ」
 その香りに笑顔になっての言葉です。
「これがね。この香りだけでね」
「だけて?」
「香水みたいよ」
「そんなにいい香りだっていうのね」
「私はそう思うわ」
「そう言う位に好きなのね」
「苺の香りも好きよ」
 こちらもというのです。
「オレンジとかは苦手だけれどね」
「特に皮のお汁がよね」
「蜜柑とかそういう皮のお汁は駄目なの」
「柑橘類はなの」
「そう、顔の近くにかけられたりしたら」
 それこそというのです。
「物凄く嫌な顔になるわよ」
「そうなるのね」
「そう、だからね」
「蜜柑とかオレンジは嫌いなの」
「皮はね、中身を食べるのは大丈夫よ」
 そちらはというのです。
「全然ね」
「そうなのね」
「ええ、じゃあそういうことで」
「ティーセットを楽しんだ後は」
「そう、その後はね」
 まさにというのです。
「建国をはじめましょう」
「考えないのね」
「だってもうね」
 それこそというのでした。
「私の中では全部決まっているから」
「どんな国の形にするか」
「もう何から何までね」
「産業とかも」
「全部決まってるから」
 それでというのです。
「もう考える必要はないわ」
「エリカは一旦決めたら考えを変えないね」
 かかしがエリカのこのことを言ってきました。
「そうだよね」
「ええ、考えるのも決めるのも速くてね」
「それでだね」
「決めたらね」
 そうしたらというのです。
「もうね」
「絶対にだね」
「変えないわ、後でくよくよ考えて変えても」
 その考えをというのです。
「よくないから」
「だからだね」
「絶対に変えないのよ」
「決めたことは」
「そうしてやっていくのよ」
「それがエリカだね」
 樵も言ってきました。
「それじゃあだね」
「そうよ、建国していくわよ」
「その建国を手伝わせてもらうよ」
 樵も言ってでした、まずはティータイムを楽しみました。林檎尽くしのそれもとても美味しいものでした。
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