猫娘と強化合宿編
NO.079 回想と反転
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しょうがないかぁ……ねぇ小僧。今から本気出すけどうっかり死なないでね?」
「本気、だと……? さっきのが本気じゃなかった……だと!?」
「ええ」
ニッコリ笑顔で出久は「猫又解放!」と言霊を発する。
次の瞬間にはそこには5mを超す巨大な猫の姿があった。
「あ……あ……」
それでマスキュラーは人生の中でついぞ感じた事のなかった恐怖を初めて抱く。
そこには超常黎明期以前から生きているオールフォーワン以上の怪物、怪異・猫又の姿があったのだ。
その鋭い眼光だけでまるで金縛りにあったかのように固まってしまったマスキュラー。
そんな感情を抱いていることを知ってか知らずか出久は腕を振り上げた。
そこからはさきほどマスキュラーが出久にやったような壁に何度も拳を打ち付ける行為を何度も何度も行った。
そう、やり返すがごとく。
……………
…………
………
……
そこにはもう白目を剥いているが、しかし痙攣はしているのでかろうじて生きているマスキュラーの無残な姿があった。
それを見届けて出久も人間の姿に戻って、
「久しぶりにスッキリしたなぁ……♪」
そこには出久の前では絶対に見せないであろう笑顔の出久がいた。
猫かぶりもここまで来ると感嘆の声しか出ないであろう。
「さて……」
「ひっ!!」
「そんなに怯えないで……ってそれは無理な相談だよね。それじゃボウヤ。この事はイズクには絶対に言っちゃだめだからね? イズクの私に抱いている幻想を壊したくないの」
「お、お前は……前に出久姉ちゃんが言っていたフォウって奴なのか?」
「そうだよ」
あっけらかんとそう認める出久。
出久とは比べるでもなく残忍な気性の持ち主だと洸汰は瞬時に悟った。
「あ、イズクが目を覚ましたら『がむしゃらになって倒した』事にしておいて。あと、早くしないとこの子も死んじゃうかもしれないから私はもう下がるね」
待って!まだ……という洸汰の叫びも虚しく出久はまた反転して引っ込んでしまった。
そして目を覚ます出久。
「……あ、あれ? 僕は……」
「出久お姉ちゃんなの……?」
「洸汰君……? あれ、あのヴィランは……」
「そ、それなんだけど……」
洸汰はフォウに言われたとおりに伝えた。
その後に爆豪の姿を見て出久は血相を変えてすぐに治療にかかったのであった。
これでこそ出久だと洸汰も一応の安心感を得れた。
…………一人回想を終えた洸汰は、これは子供心に出久には伝えられない……と即決して心にしまう事にした。
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