第6章:束の間の期間
第180話「魅了の封印」
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れ。ごちゃごちゃ悩むぐらいなら単純にそう思っておけ。そうすりゃ、少しはマシになんだろ」
「王、牙……」
変に悩むぐらいなら、それらの悩み事の元凶にぶつけろ。
そういって、帝は遠回しに神夜を励ます。
「お前だって被害者だ。誠意見せて謝れば、分かってくれる奴だっている。……まぁ、その際に色々詫びなきゃならんだろうが、そこは頑張れ」
「……そう、だな……」
「後は……“これ”だと思って何でも決めつけるのはやめとけ。ちゃんと視野を広く持って、決めつける前に一度考え直せ。そうすりゃ、お前次第で何とかなる」
それだけ言って、帝も退室した。
「……っ……」
励まされた神夜は、静かに嗚咽を漏らした。
これまでの反省と、これからの決意を固めながら……。
「……らしくねぇ事言ったな」
〈そうですね〉
退室した帝は、ついそう呟いた。
エアも即答するかのように肯定する。
「ああやって塞ぎ込むのなんて俺は見たくねぇんだよ」
〈貴方にそんな殊勝な心があるとは〉
帝にとっては、まるで前世の自分を見ているようで。
自分とは出来事の規模が違うとはいえ、塞ぎ込むのは見ていられなかった。
「俺を何だと思っているんだお前は……」
〈思春期のヘタレ男子〉
「ひでぇ!?つーかなんでそのチョイス!?」
〈優奈様とのやり取りを思い出してください〉
「うぐぅ……言い返せねぇ……」
エアと軽口を交わしつつ、優輝たちと合流する。
なお、会話を少し聞かれていたようで、司や奏に若干からかわれていた。
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