第6章:束の間の期間
第180話「魅了の封印」
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い」
「そうか……」
“確実ではない”。その事に神夜は落胆する。
それでも、応急措置としての封印は出来るため、そこまで落ち込んでいなかった。
「………よし、これで大丈夫だろう。リヒト、シャル。今回の解析をデータとして残せるか?」
〈未知の法則性を持っていますから、そのまま記録するのは難しいかもしれません〉
「構わない。それでもわかる事はあるだろうしな」
〈分かりました。出来る限り解析しやすいようにいくつかの側面から記録します〉
封印を終わらせた優輝は、リヒトとシャルに解析結果を記録させる。
魔法や霊術などとは法則性が違うモノなため、写真を撮るかのようにいくつかの側面から書き写すかのように記録する。
「ひとまずはこれで凌ぐ。後の問題は自分でどうにかするんだな」
「後の問題……」
「魅了されていた人達や、未だに魅了されたままの人達の事だね」
「あ………」
こればかりは司達にはどうしようもない。
神夜が誠心誠意向き合わなければならないことだ。
「でも、俺は……!」
「自分からやってた訳ではなかった。……というのは、言い訳に過ぎないよ。実際に魅了されていた人たちのほとんどが心を傷つけられている」
「憎悪の対象にもなっているわよ」
「っ……!」
“自分のせいじゃない”。そう主張しようとする神夜。
しかし、司と奏がそれを遮るように事実を突きつける。
「……でも、飽くまで“ほとんど”だよ。はやてちゃんとか、ちゃんと話すことで分かってくれる人もいる。……って、慰めにもならないね」
「どの道、きちんと向き合わなければならないわ。覚悟しておいて」
そういって、司と奏は用が済んだために退室する。
優輝もこれ以上は特にやることがないため、退室した。
「……なぁ、織崎」
「………」
残った帝は、項垂れている神夜に声をかける。
「今までの関係が、自分の無自覚で歪められた事……ってのは、到底信じられないだろうし、後悔してもしきれない事だとは思う。傍から見ている俺ですらそう思うんだから、当人であるお前はそれ以上だろう」
「………」
帝の言葉を、まるで聞き流すように、項垂れたまま聞く神夜。
その様子を気にせず、帝は言葉を紡ぎ続ける。
「……俺には理解できない程、複雑な思いがお前ん中にあるだろう。多分、人間不信になるほど、追い詰められてるとも思う」
「…………」
未だに沈黙し続ける神夜に、帝は近づく。
項垂れ、俯く神夜の頭を掴み、帝は目線を合わせる。
「色々思う事があるだろ?そのぶつけどころがなくて困ってんだろ?……だったら、その鬱憤はお前に力を押し付けた元凶にぶつけてや
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