第六章
第62話 突入(2)
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はなんとも言えない。似ているような気もするし、そうでない気もする。
だが、可能性が少しでもある以上、その人間をタケルが能動的に殺すなどということがあってはならない。
親がいるはずなのに、親子の縁がない世界。どう考えても異常だ。
「タケル。今回の作戦がうまくいって、全部が片付いたら、親を探すといいよ」
「親を?」
「ああ。お前はもうこちらの国民なんだ。こちらの国では親子の絆がある。時間がかかってもいい。調べて、親を特定するんだ。
俺は偉そうなことを言えた身じゃないけどさ、今までのぶんも含めて、いっぱい甘えて、いっぱい親孝行するといいと思う。ああ、親孝行という言葉の意味はわからないよな……そのときには俺はもういないと思うから、意味がわからなければ、城の人たちに――」
「まだ終わってからの話は早ぇだろ? 責任者さん」
今度は俺の言葉が打ち切られた。
後ろを振り向くと、俺の肩に手を置いて笑っているのは兵士のリーダーだ。
カイルも他の兵士も、みんなこちらを見てニヤニヤしている。
「そうだ。この先に総裁とやらがいるんだろ。これからが本番じゃねえか」
「さっさと終わらそうぜ」
俺はうなずいた。
「そうですね。進みましょう」
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