暁 〜小説投稿サイト〜
【完結】猫娘と化した緑谷出久
猫娘と強化合宿編
NO.078 走馬燈
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
とした拍子で折れてもおかしくなかったんだ……なのに、俺ときたら気づこうともしなかった……)」

そして場面は爆豪の心にトラウマを植え付ける事になる光景にやってきた。
出久がどこか古臭い神社にやってきていた。
そんな出久の事を陰から見ていた爆豪は出久とその猫とのやりとりを見ていただけだったのに、いきなり巷で噂になっていたペットなどを殺す猟奇殺人犯のヴィランが出久の前に現れる。

「(やめろ……見せるな……)」

映像の中では爆豪は陰で隠れて恐怖から震えているだけだった。
なのに、出久はそんなヴィランに猫を守るように立ち向かっていった。
爆豪は助けることもできたのに出久が切り裂かれていく光景をただただ恐怖で見ているだけだった。

「(見せるな! たとえ個性の影響だからってみじめな姿の俺を見せるな!!)」

だが、映像は止まらない。
ヴィランは立ち去った後には血まみれの出久の姿。
陰から出てきた爆豪はそれはもうみじめな表情をして呆然としていた。
その後に少しして助けを呼ぶ事ができたが、それでも助けられなかったという後悔がまだ少年の爆豪の胸を占める。
そしてトラウマとなって出久が傷つく光景を見れなくなった……。

「(見せるなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)」

絶叫するもまた映像は続いていく。
出久はフォウのおかげで助かったものの、爆豪はそれからは出久と少し距離を置くようになった。
それでも脳内では安心もしていた。
無個性なんだから出久が傷つく光景なんて見ることはないだろうと……。

そして中学二年生になった。
進路希望の時だった。
まさか出久が雄英高校を志望していただなんて思ってもなかったために、

『デェクゥゥ!? なぁに考えとんじゃ!? 無個性のお前がヒーローになるだと!』
『そ、そうだよかっちゃん。僕も……やってみなきゃわからないだろ!』
『……そうかよ。まぁ前にお前が助けそこなったあいつみたいになるのが関の山だと思うがな』
『ッ!!』

「(なに、口走ってんだ俺……あの猫を助けた時のデクはまぎれもなくヒーローだったのに……バカかよ!? デクの表情に気づけよ!!)」

映像の中の出久の表情はとても必死だった。
捨てきれないヒーローになりたいという出久の儚い夢。
だというのに、

『諦めろデク。お前じゃ誰も救えねぇ……それに、またあんな思いはしたくねぇだろ……?』

追い打ちをかける爆豪。

「(なんでだよ! もう救っていたっていうのに……俺は目を逸らしていた……)」

そしてある意味運命の瞬間。

『何でてめぇが!! っていうかなんだその姿!?』
『なんでって……君が助けを求める顔をしていたから!!』

周りのヒーロー達が相性の悪い個性だと、助けが来るまで待と
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ