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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
79話:手合わせ
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ありがとう。2人にも任官前に良い経験をさせる事が出来た。控室にお湯の準備がしてある。さっぱりしてから寛いでくれ。時間を取ってもらったお礼ではないが土産を用意してある。忘れずに持って帰ってくれ」

「伯には敵いませんな。新型の装甲服の開発予算を手配して頂いた事、このオフレッサー、装甲擲弾兵を代表してお礼申し上げます。では失礼いたします」

必ずしも礼儀作法に忠実なわけではないが、気持ちの良い礼をすると、会場から去っていった。なにやら台風が過ぎ去った後のような感覚があったが、ラインハルト様に視線を向けると、調子が戻られたようだ。顔色も良くなられている。
先ほどの伯とオフレッサー大将の会話は、アンネローゼ様にも聞こえるように話されていた。結果は散々なものだったが、面目は立てて頂いた形だ。これも伯が配慮された結果なのだろう。いつか伯が心配されなくても、私がいればご安心頂けるような日が来ればよいのだが......。

「ミューゼル卿、明日は御母上の月命日であろう?皇帝陛下から、グリューネワルト伯爵夫人と別邸でゆっくり偲ぶようにとのお言葉を頂いている。振り返りは別日にするので、この後はゆっくりするようにな。私個人の感想としては、それぞれの分野で帝国屈指の人物を相手に、ここまでよく敢闘したと思う。良くやってくれた」

そう言い残して、伯は今回の手合わせに参加された方々の方へ挨拶に向かわれた。戦術シミュレーターの振り返りは別日に設定されている。今日くらいは身体を休めても良いだろう。ラインハルト様とともに、アンネローゼ様のいらっしゃる見届け人の席へ歩みを進める。

「ラインハルト、ジーク。よく頑張ったわね。私が見届けるには刺激が強すぎた部分もありましたが、2人の鍛錬の成果を示す場だと聞かされていたから最後まで見届けました。2人とも本当によく頑張ったわね。別邸には料理の手配がしてあるから、今日は私の料理を楽しんでもらえれば嬉しいわ」

「ありがとうございます。姉上。今少し健闘できるかと思っておりましたが、至りませんでした。ただ、手合わせの相手は帝国でも屈指の方々です。前線に出ても後れを取るつもりはありませんし、これからもキルヒアイスと共に鍛錬を積みますのでご安心ください」

「ラインハルト様のおっしゃる通りです。私ももっとお支え出来るように励みますので、ご安心ください」

私たちが各々の決意を述べると、アンネローゼ様はすこし迷う素振りをされながら

「余計なことかもしれないけど、2人が戦場に行く限り、私が安心することは無いと思うの。それは良くして頂いているルントシュテット伯爵夫人やシュタイエルマルク伯爵夫人、そしてリューデリッツ伯爵夫人も同じだそうよ。
もちろん皆さまはそういう感じをお出しにならないけど、黙って耐えてらっしゃるの。任官して
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