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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第20話 消せない灯火
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の。回避したとしても、動きによるロスの分だけ阻害にはなる。

 本来ならば、炎属性の爆発魔法で砕けば済む話である。しかし、岩のある場所が進行方向と被るため、爆破した後の塵や破片をもろに浴びることになってしまう。それによる視界悪化は暗い森の中では致命的だ。

 その結果、ロスにはなるが横に避けるしかなかった。その動作の分だけ距離が開く。これ以上離されまいと立ち上がって再び相手を追うが、そこにある差は縮まる気がしなかった。

「待ちなさいっ!!」

 それでも追わなくてはならないのだが、言葉でしか威勢を張れず、次第に息が切れてくるようになる。このままではマズイという焦りが、心の中を埋め始める。

 すると、ローブ姿の人間が一人だけ立ち止まった。それは未だに目を覚まさないフローラを担ぐ方ではないので、セレシアはその視線をそちらから外して、フローラを担ぐ方にだけ再照準する。立ちふさがる障害を突破することも大事ではあるが、今の状況下でいちいち相手をしていては本当の目的からは一時的に遠ざかってしまう。

 それ故に、次の瞬間には、セレシアの意識からもう片方のローブ姿は消えていた。

 すると、どういうことが起こるのか。

「!?」

 これまでは視界に入っていたために何をするのか分からなくとも身構えることが出来ていた攻撃に対し、全く反応できなくなるのだ。

 背中に衝撃を受けたかと思うと、セレシアの視界は回転し始めた。驚く暇もないままに地面に這いつくばる体勢になるが、目の前で遠ざかっていく姿を見失うまいという気持ちが強いため、セレシアは全く気にせずに再び立ち上がって走りだそしていた。

 だが数歩進んだところで再び背中に衝撃を受け、セレシアは前に倒れこんだ。

 それでも諦めまいと、三度視界に捉えようと前方を見るが、その姿はすでに闇夜の森に紛れていた。どうやら見失ってしまったようだ。

「なんというか……無様ですねぇ」

 先ほどから地面に這いつくばっている時間が長くなったセレシアのことを、背後からそう酷評する男。振り向くことで見えたローブ姿の下の顔のマスクがより不気味に見える。

「何があってフローラをさらうの……?」

「そうですねぇ。さらう、というよりは、一時的に隔離すると言った方が、いいかもしれないですね。いずれは返します」

「は……?」

 相手としてはそれが質問の答えなのだろうが、セレシアには全く分からない。分かるはずもない。一時的に隔離する意味が全く理解できないのだから。とりあえず立ち上がってからも、理解には至らなかった。

 そんなセレシアの戸惑う姿に、目の前のローブと仮面に隠された顔の口角が上がり、ねばつくような笑みを作り出す。悪意はその本性を現し、次の瞬間には鋭い牙を剥いて
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