機動戦士ガンダム
2218話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
ある意味では予想通りだったが、シーマの部下達を見た被験者の子供達はその強面に悲鳴を上げたり、怖がったりもした。
だが、俺としてはまさか被験者の子供達を連れて移動出来る筈もないし、結局のところはシーマの部下に任せるしかない訳で……シーマの部下の3人のうちの1人は、その外見とは違って繊細な心を持っていたのか、微妙にショックを受けた様子だった。
ニュータイプ研究所の被検者だけに、シーマの部下達が害意のある人物ではないと判断されることを祈ろう。
ともあれ、そんな感じで海兵隊に被験者の子供達を預けた後で、俺は他の場所に向かう。
通信で他に突入している部隊に聞いてみたが、クスコとマリオンという2人の被検者はまだ見つかっていないらしい。
こういう時に連れて行かれたのは、運が悪いとしか言いようがないな。
詳しく話を聞いてみたところ、その2人は毎日のように連れ出されていたので、別に今日だけが特別という訳でもないらしいのだが。
「さて、そんな訳で……どこに行ったらいいものやら。いっそスライムで探すか?」
呟きながら研究所の中を進むも、特に誰かがそれに反応する様子はない。
クスコとマリオン。一体どんな奴なのかは分からないが、あれだけ子供達に慕われているというのを考えると、多分面倒見が良かったりはするんだろう。
そんな風に考えながら、適当に研究所の中を歩き回ること十数分……不意に、男の怒鳴り声が聞こえてくる。
「ほら、急げ! 早くこの研究所から逃げるんだ!」
「いやっ! ちょっと、引っ張らないでよ! マリオン、大丈夫!? きゃあっ!」
女の悲鳴と同時に、殴る音が周囲に響く。
同時に、人の身体が地面に倒れる音も。
「止めて下さい!」
「うるせえっ! くそっ、一体何だってこの場所の件がルナ・ジオンに知られたんだ。くそっ、くそっ、くそっ! だが、サイド3に戻れば、まだ俺は終わりじゃない筈だ。絶対にこのままでは……!」
恐らくこの研究所の研究者なのだろうが、完全にパニクってるな。
とはいえ、研究所に突入した連中から無事に逃げ延びてここまでやって来た点を考えれば、運が良いのか、それとも何気に鋭いのか。
その辺りの事情は俺には分からなかったが……いや、俺に見つかった時点で運が良いとは言えないか。
そんな風に思いつつ、俺は足を進め……やがて、廊下を曲がったところで5人の人間を目にする。
1人は研究者で、2人は警備兵、そして残る2人は女。
2人の女という事は、もしかしてこの2人がクスコとマリオンなのか? マリオンって名前が出てたし、恐らく間違いないだろう。
どっちがどっちなのかは分からないが、桃色の髪の女は床に倒れており、青い髪のショートカットの女は地面に倒れた桃色の髪の女に駆け寄ろうとしつ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ