機動戦士ガンダム
2218話
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視線を向けているクスコだったが、気絶したマリオンをこのままにしておけないというのもあってか、やがて渋々と俺の近くまでやってくる。
気絶している2人の警備兵と、影のロープで縛られている研究者も近くに寄らせる。
当然ながら、クスコにとって研究者というのは愉快な相手ではない以上、その視線は厳しい。
俺がちょうどここに来る前には、研究者か警備兵かは分からないが、殴られる音もしていたのを考えると、その態度も仕方がないのだろう。
ましてや、被検者の中には追い詰められる為に暴力を振るわれたり、性的暴行を受けた者もいるという話なのを考えると、尚更だった。
もっとも、俺が見たデータでは性的暴行を受けた者の名前はクスコでもマリオンでもなかったのを考えると、視線の厳しさはそれが原因ではないのだろうが。
全員が集まってきたのを確認すると俺は影のゲートを開く。
「きゃあっ!」
瞬間、真っ先に悲鳴を上げたのは、予想外な事にクスコだ。
影に沈んでいくという体験は初めてなんだろうから、それも当然だが。
せめてもの救いは、クスコが俺を警戒していたので、俺との間には幾らか距離があるという事か。
おかげで迂闊にクスコや気絶しているマリオンと触れずに済んだ。
正直なところ、俺がニュータイプ……もしくはその素質を持つ奴と触れあうと、何が起きるのか分からないからな。
セイラとの時のように妙な空間に意識だけが移動するというのであればまだしも、アムロのように恐怖を感じられるといった真似でもする事になれば、ちょっと洒落にならないし。
「落ち着け、これは影を通して転移する魔法で、危険はない」
「けど、だって! ちょっと、本当に大丈夫なんでしょうね!」
そう叫ぶクスコの声を聞きつつ……俺達は完全に影に身体を沈めるのだった。
「お?」
影の転移魔法で研究所の外に出ると、俺の視界に入ってきたのは、シグーやジン、バクゥといったMSが、サイド6の自警軍? とでもいうのか、そういう連中と睨み合っている光景。
ただし、自警軍の方はMSなどある筈もなく、使っているのは装甲車とかそういう感じの兵器でしかない。
『アクセル、あんたまた……一体、どこから出てくるんだい』
シーマの乗っているシグーから、呆れの声が発せられる。
ちなみに、自警軍の方でも俺達が影のゲートから出てくる光景を見ていた者がいたの、外に出ていた何人かは唖然とした視線をこちらに向けていた。
「まぁ、ちょっと急ぎだったんでな。ほら、そっちの警備兵。早く手当てしないと死んでしまう」
回復魔法が使えない以上、俺が治療するとすれば、それこそイクシール……とまではいかないが、魔法薬を使う必要があった。
だが、この研究所で働いていた警
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