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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第百十六話 ついに二大勢力が正面激突します!!
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いったんフェザーンに航路を取り、それを変更したフィオーナ率いる別働部隊がイゼルローン回廊に入ったのは、帝国暦488年6月11日の事である。
「イゼルローン要塞から入電です!!」
女性オペレーターが声を上げる。ゼルローン要塞に駐留する司令官は紆余曲折あって今はハンス・エドアルド・ベルゲングリューン大将とフォルカー・アクセル・フォン・ビューロー大将となっている。ベルゲングリューンが要塞を統率し、ビューローが艦隊を統率している。同格の司令官を敢えて二人としたのは、この二人が公私ともに親密だったからであった。ゼークト、シュトックハウゼン両大将の轍を踏まないことはラインハルト以下ローエングラム陣営全員が肝に銘じているところである。
「入港の用意は整っているとのことです。なお、周囲の宙域の情報について報告したい点があると言ってきています。」
「要塞への入港申請を行ってください。また、各艦については後続の2要塞及びイゼルローン要塞にて順次補給を行いますが、最初の警戒部隊についてはバイエルン候エーバルト大将に依頼します。」
「了解。」
エステルが立ち上がり、オペレーターを前にしてテキパキと指示を下す。サビーネは要塞司令部との間に交信をつなぎ、指示を受けている。長い副官生活でだいぶ事務に慣れてきたようだ。それを見守りながら、フィオーナは束の間目の前の任務を忘れることができていた。
* * * * *
「敵がいない?」
ティアナが声を上げた。フィオーナ、ティアナ、ルッツ、ワーレン、と4人の遠征軍側は顔を見合わせた。遠征軍別働部隊参謀長であるエレインだけは報告をじっと聞き入っている。バイエルン候エーバルトは留守居役として敵襲に備えて要塞外縁部で艦隊を展開させて待機している。
「は。既に幾十度も索敵を出し、回廊を出てティアマト付近にまで哨戒を出しましたが、反応はありません。それこそ偵察艦1隻も、です。」
「どう思う?」
ティアナが親友に向きなおって尋ねたが、そこで何か違和感を覚えた。親友は心持憂いをおびた顔つきで、
「指揮官が誰かは分らないけれど、いずれにしても向こう(シャロン)の指示は順守せざるを得ない・・・・。だとすると、自由惑星同盟の奥深くに縦深陣形を敷いて待ち構えている、という結論になるのだけれど・・・・。」
「保留付きですか?その理由は?」
ルッツが尋ねる。
「端的に言えば敵の言動を百パーセント信用していいかどうか、という事です。」
「彼女がそう言った以上、それを必ず実行する。そう言ったのはフロイレイン方ではありませんか。」
ワーレンが言う。
「ええ・・・。ですが、何と言いますか、これは論理的ではないのですが。」
フィオーナは周りを見まわしていった。
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