第六章
第60話 的中
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の盾を装備している。
青竹を利用した簡素なものであるが、十分に役立つはずだ。
俺は後方に下がっており、突入隊の面子で集合していた。
自分の他には、クロ、神、タケル、あとはヤマモトが選抜した三十二人の兵士である。
突入メンバーには加わらないが、作戦の最終確認のためにヤマモト本人も来ている。
軍でいえば一個小隊程度の規模。
地下都市の戦闘員はほとんど外に出てしまっていると思われるので、戦力としては十分。そしてこの少人数なら、日が沈んでから動けば察知されにくいだろう。
ヤマモトからの突入作戦の説明が終了した直後。
なぜか俺は、兵士たちに絡まれていた。
左右から首に腕を回されてしまっており、サークルの飲み会のようなノリになっていた。
「しかしお前さん、軍人でもないのに勇気あるよな。何があるかわからないのによくやるわな」
「いやー、俺はあのときからタダモノじゃないとは思ってたがな。気に入った」
「やっぱり兵士にならねえか? お前なら立派に務まると思うぜ」
「……あのおー。皆さん酔ってませんよね? 大丈夫ですか?」
選抜された三十二人の兵士たちは、ミクトラン城の兵舎で火事に巻き込まれたとき、一緒に泊まっていた人たちだった。ガラの悪さも相変わらずだ。
ヤマモトの人選基準は不明だが、一度生死を共にした間柄という理由で彼らを選んでくれたのかもしれない。
「コラお前たち。オオモリ・リクは陛下の側近とも言うべき立場だ。あまり失礼があってはならぬぞ」
「参謀さんよ。これから決死の突入なんだから、そーカタいこと言うなって」
「そうそう。もう戻ってこられないかもしれないんだからさ」
「縁起でもないことを言うでない……。戻ってくるまでが作戦であるぞ?」
「参謀さんも真面目だな。いつもそんな調子だと疲れちまうだろ」
なぜかヤマモトも絡まれだした。
態度はいかがなものかと思うが、この人たちなら頼りになると思う。
よし、あとは日没を待つばかりだな。
そう思ったとき――。
「ちょっと兄ちゃん! どういうことさ」
――げ、カイルだ。
バレたのか。
「……」
「置いていこうとしてたでしょ」
「……まあ、そうだ。何かあると町長や院長に申し訳ないからな」
「大丈夫だよ。もともと兄ちゃんについていけって言ったのは町長なんだから。ついていくよ」
「ダメだ」
「ダメって言っても無駄だよ。勝手についていくからね」
まずいな……。どうしたものか。
「連れていってやったらどうだ?」
さっきまで絡んできていた兵士の一人――ミクトラン城の火事のときに、兵士のリーダーだった男だ――が、そんなことを言う。
「いや、でも……」
「知ってると思うが、そいつ
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