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悲劇で終わりの物語ではない
特異点F 『炎上汚染都市:冬木』
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フォウを肩に乗せ、悠々と足を進めるアキトの姿もあった。



「フォウ、ンキュ?(ウィスは何かしないの?)」
「そうですね、援護でもしましょうか」

 キャスパリーグの言葉を受け、ウィスがマシュ達を助太刀すべく動き出す。

 親指を突き立て、両手の人差し指と中指を前方へと向け、照準を定めた。
 指先に集束するはガンド特有の紅き魔力



─スカサハ直伝ガンド─



 次の瞬間、前方で奮闘するマシュを援護すべくスカサハ直伝ガンドが火を噴いた。
 ガンド、それは対象を指差すことで体調を崩させる効果をもたらす呪いの一撃

 とある平行世界ではその身に宿る魔力の高さが影響し、物理的ダメージを与えるとされるフィンの一撃にまで昇華した少女もいたが、ウィスが放つガンドは一線を画していた。

 それは正に暴風、ガンドの名を被った別の何か
 指先からガンドが放たれた瞬間には、既に対象に到達しその身を破壊している。

 打って、打って、打ちまくる。
 手加減することなく、手心を加えることなくただひたすら打ち続ける。

 この数秒の間に放たれたガンドの総数は数百、数千、いやそれ以上
 尽きることのないエネルギーから生み出されるガンドの嵐は辺り一帯を即座に更地へと変えた。

 骸骨の兵士達は為す術なくその身を崩壊させ、否、ガンドが直撃した瞬間に爆散する。
 一体、また一体とオルガマリーを包囲していた骸骨の群れは瞬く間に塵と化していった。

「ファ──ww(ちょ、やりすぎww)」

 ウィスは無心にガンドを射出し続け、まるで作業の様に破壊し続ける。
 至る場所にクレーターが出来上がり、爆風と爆煙が生じ、汚い花火が生まれる。
 
「ちょっとアキト!私達まで殺す気!?」
「マシュ・キリエライト、離脱しました!」

 オルガマリーを抱えたマシュが戦線離脱することに成功する。
 マリーはヒステリーを起こしかけていたが

 見れば感情を有さないはずの骸骨の兵士、スケルトン達が撤退を始めている。
 だが此処で奴らを逃がす理由など存在しない。

「流石になかなかの逃げ足の遅さですね」

「ですが此方に敵意を向けてきた相手をおめおめと逃がすと思いますか?」

 ウィスが右手の人差し指の指先を天へと掲げ、莫大なエネルギーを一点に集束させる。
 膨大なエネルギーが一点に凝縮・集束し、圧縮されていく。

 その絶大なる破壊の閃光が天へと届く勢いで膨れ上がり、巨大な球体へと変化する。
 驚愕を隠せないマシュ達を他所に、ウィスはその破壊の一撃をスケルトン目掛けて振り下ろした。 

 瞬く間に、スケルトンの軍勢は塵と化し、消滅する。
 同時に、冬木の大地そのものが震撼し、見渡す限りの大地が消
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