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悲劇で終わりの物語ではない
特異点F 『炎上汚染都市:冬木』
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─『特異点F 炎上汚染都市 冬木』開幕─







「な、これは……」
「冬木の町が……。これが特異点の影響ですか……」
「フォウ……(こりゃ酷い……)」

 無事、霊子転移(レイシフト)にて過去へと跳んだ3人と1匹
 
 舞台は聖杯戦争が開催された2004年の日本の冬木
 彼らは今、文字通り過去の冬木の大地を踏み締めていた。

 日本の中枢として発展を遂げてきた冬木
 だが、既に近現代の煌びやかな都市の輝きなど存在せず、今や血と死者が蔓延する町へと変貌を遂げていた。
 至る場所が激しく炎上し、街並みは大きく崩れ、人ならざる者の気配が漂っている。

 誰もが目の前に広がる惨状に言葉が出なかった。

「フォウ、フォフォウ!(それにしてもマシュの姿はドスケベだね!)」
「フォウさん、私に何か言っているのですか?」

 キャスパリーグがこんな状況でもあるにも関わらず、けしからんことを述べる。
 マシュは理解できずに首を傾げていたが

「ファッ、フォウ─!?(なっ、やめろ─!?)」

 キャスパリーグのモフモフの頬が左右に引っ張られる。
 キャスパリーグはウィスの縛りから逃れようとジタバタと暴れるが、当の本人はガッチリと掴み離さない。 

 ウィス達は荒れ果てた荒野と化した冬木の町を散策することを決意した。
 今なおキャスパリーグはウィスに掴まれたままの状態であったが







─今、未来を取り戻す物語が始まる─















 カルデアの所長、オルガマリー・アニムスフィアが逃げ惑う。
 大量のスケルトンの群れが彼女へと肉薄し、命を刈り取ろうとしていた。

「何で、私ばかりこんな不幸な目に遭うのよ!」

「レフ、レフはどこ!?いつだって貴方が私を助けてくれたじゃない!?」

 ガンドを放ち、命を刈り取るべく襲撃するスケルトン達を破壊する。
 多勢に無勢な状況でも彼女の目は死んでいなかった。

「アキトもこの場にいるのなら私を助けなさいよ!」

 既にコフィンの爆発で息絶えたであろう少年の名をオルガマリーは叫ぶ。
 それ程までに彼女は精神的に追い詰められていた。

「マシュ・キリエライト、助太刀に入ります!」
「マシュ!?」

 そんな絶体絶命の危機に駆け付けるはデミ・サーヴァントと化したマシュ・キリエライト
 彼女はその手に有する巨大な盾で瞬く間にスケルトンを粉砕し、破壊し、叩き潰していく。

「オルガマリー所長、ご無事ですか!?」
「貴方は一般人枠の……!」

 48人目のマスター、藤丸立香もその場に現れる。
 後方にはカルデアの謎の生物である
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