第六章
第59話 神の加護
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見える。そんな感じの透き通る青色だ。
調子に乗りそうなので言わないが。
***
さて、今日の行軍は終わりとなる。
食事も済ませ、夜の打ち合わせに入る。
もちろん議題は、レンから貰った「総裁に会いましょう」作戦についてだ。
「案自体はよさそうだが……」
灯りに照らされている国王が、そう答えた。
我々の周囲は陣幕で囲まれ、内側に小さなランプが置かれている。
「じゃあ大丈夫ですね?」
「そうだな。相手が打って出てきたら、その作戦で行くか。ヤマモトや将軍二人も異議はないだろ?」
「はい。相手がこちらの思惑どおり動くかどうかはわかりませんが。もし敵が打って出てくるようであれば、よい作戦かと思われます」
ヤマモトはそう答えて賛成してくれた。
ファーナおよびランバートの両将軍からも異議は出なかった。
「ありがとうございます」
個人的には、レンの予想は当たると考えている。彼はいい加減なことは言わないから。
恐らく相手は外に出てくる。
そこで突入すれば、総裁の元までたどり着けるだろうと思う。
「じゃあ、もしその状況になったら頑張り――」
「ただしお前が突入部隊に参加するのはダメだ」
「ええっ。なんでですか」
「お前が危険だ。なので却下」
――いやいや、俺も行ったほうがいいに決まっている。
地下都市の人間は、現代の地上の人間は「人間ではない」と教育されている。そしてその教育をしている張本人は、他でもない総裁だ。
バカバカしい話ではあるが、対等な人間として会話が始められるのは俺しかいないことになる。俺が行かないで誰が行くのか。
「そこをなんとか」
「却下だ」
むむむ。
「お前は軍人ではなかろう。戦闘は戦闘のプロに任――」
「行かせてやるがいい」
突然国王の後ろからあらわれ、彼の肩に手を置いてそう言ったのは、神だ。
「神……。しかしリクの身が」
「リクは生還する。大丈夫だ」
「なぜ大丈夫と?」
「なぜならわたしがついているからだ」
この言いかた。神も一緒に来るつもりなのだ。
頭の中に、神が先日言っていた、「お前が何か考えついたのであれば、わたしもそれを援助しよう。期待するがよい」というセリフが再生される。
しかし「神が一緒に来る」ということが「俺が生還する」根拠にされているのは、非常に納得しがたいものがある。
本人はやたら自信満々なトーンで話しているが、特に超人的な戦闘能力があるとは聞いていない。
「確かに、それはこの上ない安心材料ではあるが……」
――ねえよ。
「もしものときは、わたしがリクを守ると誓おう。それでどうだ」
「……では神がそこまで言われるなら。そ
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