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永遠の謎
343部分:第二十二話 その日の訪れその十四
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った。それまでそうした考え、自分の作品の為だけの劇場を設けようという考えを言葉に出した人間はいないからだ。そうした意味でもワーグナーは尊大であった。謙虚という徳が彼にはないのは残念ながら事実であったのだ。
「しかもそのことに陛下も賛同しておられますし」
「ではワーグナー氏が戻られたらです」
「そのこともですね」
「実現に傾きますか」
 こう話していってだ。顔を曇らせるのだった。
「また。費用がかかります」
「歌劇だけでも相当だというのに」
「あれは歌劇にかかる費用ではありません」
 確かに芸術には金がかかる。それは歌劇も同じだ。だからこそ歌劇は長い間王侯貴族の娯楽であったのだ。しかしそれでもだった。
 ワーグナーの歌劇はだ。桁外れだった。費用がかかり過ぎるのだ。
 その彼が戻ればどうなるか。誰もがわかることだった。

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