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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
Prologue or Epilogue
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しれん。
生まれ変わった先がロアナプラというだけでも相当な罰だと思うんだが……
「ゼロ。最後に何か言いたい事はある?
別に格好付ける気はないけど……
なにかあるなら言ってよ。俺なんかに残す言葉があるならね」
俺なんか、か。
こんな時までお前はそんな風に言うのか。
もっと見栄張れよ、人を殺す時はな。
さて……
言い残しておく事、か。
特には無い、と言うのも愛想がなさ過ぎる。
かといってベラベラ喋るのも雰囲気には合わない。
だから、
「ロック」
眼前で銃口が揺れる。
ふとあの時を思い出す。
"彼女"に銃を向けられたあの時を。あの時も銃口は揺れていたな……
「これで最後なら」
銃の揺れが止まる。そこはあの時とは違う点だな。彼女は……
「一言だけ残していくよ」
銃は俺の眼前から微動だにしない。それは彼の意志を示しているかのように。
「ーーーー、ーーー」
そう告げた後俺は目を閉じる。あの時そうしたように。彼女に対した時と同じように。
「………」
水平線へと沈んでゆく太陽だけが俺達二人を見守ってくれている。
地面に映る影は長く長く延びていった………
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