High School D×D
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途端、母から感じる生命の躍動
「うう……朱乃……?」
「……!母様!?」
「どうして、私は確かに死んだはず……」
朦朧とする意識の中、彼女は疑問の声を上げる。
「あの方が母様を助けてくれたの!」
「彼が……」
朱璃は此方に背を向け、下手人達を対面する男性、ウィスを見据えた。
その何処までも頼もしい背中を
「貴様、やってくれたな……!」
「貴方がもう話す必要はありませんよ。どうせくだらない理由で彼女達を狙ったことは目に見えてますから」
「ですが安心しました」
「貴方達に恨みはありませんが、これで心おきなく貴方達を消すことができます」
ウィスの言葉を皮切りに下手人達の体が砂と化し、崩壊していく。
反応することも、言葉を発することも出来ずに下手人達は消滅するのであった。
この瞬間、全次元、平行世界に存在する姫島親子を狙った下手人達の姿が突如消失した。
何の前触れもなく、下手人達の身が砂と化し、その存在を破壊されたのだ。
朱乃と朱璃の2人は生涯この光景を忘れることはないだろう。
その後、愛する家族が襲撃を受けた知らせを聞きつけたバラキエルがその場に駆け付けた。
酷く焦った様子で肩を上下させ、愛する家族の無事に涙を流しながら。
既にウィスの姿は朱乃達の前から消えていた。
彼は自身の願望が生み出した幻だったのか。
否、幻なわけがない。
死の淵から母を救い出し、命を助けてくれた彼が幻であってたまるものか。
少女は恩人との再会の想いを胸に秘め、恩人の存在を胸に刻み込む。
その場に残された黄金のネックレスを握り締めながら。
そして少女は成長し女性となり、十数年の時が経過した。
▲▼▲▼
「朱乃はいつもそのネックレスを首にかけているけど、それは何なの?」
オカルト研究部の部長であるリアス・グレモリーが朱乃に尋ねる。
「ふふ、これはある人からの贈り物です。再会の証として肌身離さず持ち歩いているのですわ」
「朱乃先輩が幼い頃に助けてもらった殿方のことですか?」
菓子を口に運ぶ小猫が尋ねる。
「ええ、そうですわ。あの方は私がまだ幼い時に颯爽と現れて私と母を助けてくれたんです」
懐かし気に、とても優し気な表情で朱乃は過去を回顧する。
母と自分を狙った下手人達が一掃された後、気付けば彼の姿は何処にも存在しなかった。
既にあの出来事から十数年の時が経過している。
だが朱乃は彼との再会を諦めることなく、再会することを望み続けていた。
見れば彼女の頬はうっすらと紅く染まっている。
その姿は普段
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