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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第19話 秘密と決意と悪意と
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 食後のティータイム兼質問タイムが終わったあとは、食べたものや使った食器の片付け。

 ミストの言葉通り男性陣が後片付けを担当し、その間女子二人はリビングに移動して会話。男性陣の仕事が終わった後は4人で会話に鼻を咲かせ、そのうちに少しずつ時間が過ぎていった。


 時刻にして夜の9時頃と、寝るにはまだ早い時間。しかし、フォンバレン家のエースの部屋の中には、部屋の明かりを消してベッドに寝っ転がっている部屋の主がいた。

 その理由は至ってシンプルで、今は女性陣が風呂に入っている時間なので、鉢合わせを避けるために部屋にいる。いつになったらでてくるのかなー、とやや長風呂になるのは確定な女性陣を待ちながら、ボーっとしていた。

 ミストと違って毎日読書をする習慣のないエースは、この時間は散歩に出かけていることもある。だがフォンバレン家でフローラが過ごし始めてからは、初日を除き不測の事態に備えるため、この暇な時間をどうすることもなく寝転がって過ごしていた。

 そんな時間を持て余したエースのいる部屋の入り口の扉から軽く乾いた音が2度響いたのは、半分うとうとしかけていた時であった。

「どうぞー」

 その音に驚くような形で気づいたエースは、身体を起こした後に声を発して扉の向こう側にいる人物に入るように促した。

「失礼します」

 入ってきたのは、風呂を済ませたのか食事をしていた時の制服姿から、清楚なイメージのする薄い生地の白いサマードレスへと姿を変えたフローラだった。似合い過ぎて直視するのが少しためらわれるその姿を、エースは上手く視線をずらして、上ずらないように気を付けながら声を出す。

「どうかしたの? 今日はプラントリナさんが泊まるって言うし、俺大丈夫かな、って思ってたんだけど」

「いや、そうじゃなくて……ちょっとだけ、フォンバレンくんにお話があって」

 お話、という風に前もって切り出したことを考えて、真面目な話なのかもしれないという想像に至ったエース。あくまでも自然体であるという風に装いつつも、心の中で少し身構えた。

「俺に?」

「う、うん。この中だと、フォンバレンくんにしか話せないから……」

「……ふうむ。立ち話もなんだから、座って話そう。はい椅子」

 エースが机の下にしまわれていた椅子を入り口近くにおくと、フローラが軽く頭を下げたあと音をたてずにそこに座る。そうして2人がきちんと向き合う形になってから、エースは会話の続きを始めた。

「で、俺にしか話せない話って?」

「えーとね、物凄くくだらないことを聞くんだけど……私とセレシアを見たり、話を聞いたりとかでこれまでに何か思ったことって、あるかな?」

「ん、そりゃいっぱいあるよ。2人とも大食いだなーとか、いつも一
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