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レーヴァティン
第七十七話 八丈島その二

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「そちらの口添えもあり」
「幕府も許そうと言っていたんだな」
「それも何度も」
「幕府も器が大きいな」
「基本かなり器が大きいかと」
 謙二は徳川幕府の度量についても述べた。
「あの政権は」
「そういえば民にも大盤振る舞いをしているな」
 年貢はかなり安くしていたし綿や菜種等の副業の品は民の取り分としていた、法もかなり寛容だった。
「徳川幕府は」
「そのせいで財政はいつも危機的状況でした」
「年貢の取り立てが少ないからか」
「はい、ですから」
「そうだったな、とにかくな」
「幕府はです」
 その政はというのだ。
「寛容で度量があったので」
「宇喜多秀家もか」
「出そうとしていたのですが」
「当人がか」
「断り続けていたので」
 しかも子孫代々だ。
「島に留まり続けていました」
「幕府も困っただろうな」
「おそらく」
「そうだな、かえってな」
「もう流罪の年季は済んだと考えているからこそ」
「出てくれと言ったな」
「それを断られて一生しかも子孫代々ですから」
 処罰をする方もというのだ。
「迷惑です」
「意地もそこまでいくと凄いな」
「そして幕府が終わってです」
 大政奉還、それが成ってからだ。
「ようやくでした」
「出たんだったな」
「そうでした」
「頑固な話だ」
「その頑固さにはです」
 まさにとだ、謙二も話した。
「驚きますね」
「意地っ張りと言うべきか」
「意志が強いといっても」
「死ぬまで出なかったか」
 その半世紀の間だ。
「しかもだよな」
「はい、子孫代々までです」
「凄い一族だな」
「今は本土に帰っているとのことです」
「そうか、わかった」
 あらためて言った英雄だった。
「宇喜多さんのことは」
「何かよくわからないというか」
 紅葉もどうかという顔で述べた。
「そこまでの意地は」
「まあこの八丈島やないけど」
 耕平も言ってきた。
「世の中凄い人もおるわ」
「わたくしもそう思いますだがや」
「ああ、それでこっちの八丈島には」
 耕平はこちらの島の八丈島の話をした。
「それがし達の仲間がおる」
「そうですね」
「ほなその仲間の話をな」
「集めましょう」
 こう話してだ、そしてだった。
 一行は八丈島に上陸してだ、そのうえで。
 まずはその新たな仲間の情報の収集にかかった、その情報はというと。
 八丈島の宿に入ってだ、英雄は仲間達にその入った情報について述べた。
「仙人とはな」
「思わなかったですが」
 良太も言ってきた。
「しかしです」
「それでもか」
「島に仙人というのは」
 それならばというのだ。
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