第二章
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二人はすぐに新島に西田のスマホから連絡を取った、すると彼は高校での宗教の講義が丁度終わったところだった。宗教関係者は古来よりでも学者あるので日本でも私立の学校で宗教学の講義をしたりするのだ。
新島はすぐに二人のところに来た、やや頬が細く二人よりも背の高い額が広くなっている男であった。
彼は卓に座るとすぐに二人にバレンタインの話を聞かれるとだ、こう言った。
「あれなんだよ、その話は」
「あれ?」
「あれってどうしたんだ」
「伝説の話なんだよ」
それになるというのだ。
「もうな」
「伝説か」
「その話か」
「そうなんだよ、実際にその人がいたかどうかもな」
それこそというのだ。
「少し怪しんだよ」
「実在の人でもないか」
「そうなのか」
「ああ、僕もな」
牧師である自分もというのだ。
「聖バレンタインが誰かっていうと」
「はっきり言えないか」
「そうなのか?」
「僕なりにこの人だろうっていう人はいるさ」
彼が学んで出した説である。
「けれどな」
「それでもか」
「他の説もあるんだな」
「そうだよ、お墓の場所も七つ位あって」
「七つか」
「七つもあるのか」
「そうなんだよ、ここに遺骸があるって言ってる寺院とかが」
それこそというのだ。
「欧州各国に七つあるんだよ」
「じゃあ誰なんだろうな」
「バレンタインって人は」
「さてね、僕はローマの司祭だったと思うけれど」
新島の説ではそうだというのだ。
「イタリアのテルミの司祭だったりアフリカの方の司祭だったり」
「色々だな」
「わかっていないな」
「殉教の日も」
「二月十四日じゃないのか」
「まさか」
「そんな説があるんだよ、実は殺されていなかったとか」
ローマ帝国にだ。
「そうも言われているし」
「二月十四日じゃなくてな」
「しかも処刑もされていなかったか」
「そんな説もあるのか」
「何か無茶苦茶だな」
「僕もそう思うよ。あとうちの息子今年もやけにチョコ貰いそうだけれどね」
新島の息子はもてる、彼にとっては自慢の種の一つだが彼はこのことについても二人の幼馴染みに話した。
「チョコは完全なこじつけだし」
「チョコレート売ってる人達のな」
「それはわし等もわかってるさ」
「そんなことはな」
「見てわかるな」
「ああ、けれどな」
それでもと言うのだった。
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