第二章
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だが彼はその中で特に白人を嫌っていて彼等と接触しようとしなかった、しかも彼はよく一人でいた。
その彼にだ、部族の者達は言うのだった。
「変な奴だな」
「ああ、よく一人でいてな」
「俺達も白人は嫌いだがな」
「あいつはまた極端だな」
こう言っていた、とかくだ。
彼は一人でいることを好み白人達と会おうとしなかった、だが周りの者達はその彼のことをこうも言っていた。
「背は低いけれどな」
「肌の色は明るくてな」
「顔立ちは整っていてな」
「外見はいいな」
「そうだな」
容姿については評判がよかった、だが。
写真はとかく撮らせず絵もだった、彼は残していなかった。
戦士としては果敢に戦いかのカスター将軍と彼が率いる部隊を壊滅させた戦いにも参加していた。しかし。
最後は裏切られアメリカ軍に捕まり殺された、しかし。
結局写真は残っていなかった、それでだった。
高校生になっても機会があればクレージー=ホースについて調べているシャルルはある日彼のものだと思われる写真を見たが。
その写真についてだ、すぐに先生に言われた。
「これは多分偽物だな」
「みたいですね」
クレージー=ホースについて調べていてだ、彼もそれはわかっていた。
「顎に傷ないですから」
「女の人と駆け落ちした時に傷を負ったんだが」
「その傷がないですからね」
「この人は違うな」
先生もその写真を見て言った、ネイティブの服を着たアジア系の端整な人物の写真を見ながら。
「ほぼ確実にな」
「そうですよね」
「この人が誰か」
「クレージー=ホースじゃない誰かですね」
「恰好いいがな」
それでもというのだ。
「違うな」
「そうですね」
この時もわからなかった、そしてだ。
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