第一章
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いざ世界の果てへ
イスカンダルは偉大なペルシアの王となった、彼はこの時に世界の主になったと思った。それで玉座から廷臣達に高らかに言った。
「私は世界の王になったな」
「はい、まさに」
「この世で最も偉大なるペルシアの王になったのですから」
「この世界の果てから果てまで王のものです」
「そうなりました」
「そうだな、では私は世界の果てから果てまでを見事に治めよう」
髭はなく男らしい端整な顔をしている、見事な髪の毛は短く刈っており長身で逞しい身体はアッラーの力を具現している様だ。
その彼がだ、こう言ったのだ。
「戦いには勝つ、どの様な相手でもな」
「そうしてですね」
「ペルシアをこれからも偉大な国にされますね」
「そうされていかれますね」
「そうだ、それが王である私に務めだ」
こう言っていた、だが。
彼はある日だ、西の賢者の国から来たアリストテレスという濃い髭を生やし目に深い叡智を讃えた男に言われた。
「王よ、世界は実に広いものです」
「それはわかっている」
イスカンダルはアチストテレスに玉座から応えた。
「そして私が治めるペルシャは世界の果てから果てまで領土を持っている」
「そうした国だとですか」
「そうだ、この世界はペルシャが治めているのだ」
王は高らかに言った、だが。
そのイスカンダルにだ、アリストテレスは一呼吸置いてから問うた。
「それが違うとなれば」
「ペルシャが世界を治めているのではないか」
「はい、まだ世界は広うございまして」
「ペルシャの端が世界の端ではないのか」
「ペルシャの国土はどうなっていますか」
「海や高い山、砂漠にあたるまで続いている」
それがペルシャの領土だとだ、イスカンダルはアリストテレスに答えた。このことに嘘偽りは何一つとしてない。
「まさに世界の果てから果てまでな」
「そうですか、しかし山や海や砂漠の先は」
「まさかその先に」
「世界があるとすれば」
「どれも越えられない」
海も山も砂漠もとだ、イスカンダルは彼が誇るペルシャの精強な軍勢も越えられない場所から先には何もないと思っていたしペルシャの者達も同じ考えだった。
だがその王と彼等にだ、アリストテレスは話すのだった。
「しかしです」
「そういったものを越えるとか」
「まだ先があるのです、そして」
「そこにさらに世界があるのか」
「そうなのです」
アリストテレスはイスカンダルに話した。
「まだ」
「ふむ、そうなのか」
「はい、世界はまだ広うございます」
「わかった、ではだ」
それならとだ、イスカンダルはアリストテレスの言葉を受けた、そうしてそのうえで言うのだった。
「そうした場所を越えてだ」
「そうしてですね」
「ペル
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