第二章
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「お袋も海軍精神を叩き込まれてだよ」
「それでああしてなの」
「もう海軍精神の塊なんだよ」
「そうなのね」
「だから飯もな」
周平は稲穂に家の食事のことも話した。
「麦飯なんだよ」
「海軍は麦飯だったから」
「それでだよ、あと肉じゃがとか洋食が多いのもな」
「どっちも海軍ってことね」
「そうなんだよ、それにな」
周平はさらに話した、母の智美のことを。
「教育もな、精神注入棒は今は使わないけれどな」
「ビンタもよね」
「俺は子供の頃妹と一緒に悪いことしたらビンタだったよ」
「海軍らしく」
「ああ、親父は拳骨でな」
そうしたもので怒られていたというのだ。
「歯を食いしばって足を広げてな」
「ビンタだったのね」
「海軍式にな、食う時も何時でも姿勢を正して」
こうしたことも教えられていたのだ。
「勉強もスポーツも励めって言われたよ」
「それであなた水泳も出来て」
「ああ、勉強も厳しくてな」
「海軍はどっちもだから」
「叩き込まれるからな、布団や服も掃除もな」
日常生活もというのだ。
「きちんとしろってな、いつも」
「海軍そのままに」
「躾られたんだよ、凄いだろ」
「凄いなんてものじゃないわよ、だって浩平だって」
二人の間の子だ、智美は彼の孫にも海軍式の教育を施しているのだ。
「色々教えてるけれど」
「困るか?」
「今じゃ厳し過ぎるわよ」
今の時代ではというのだ。
「流石に耕平にはビンタをしないけれど」
「それでも甘やかすよりましだろ」
「そうかしら、変な風にならない?」
「ならないだろ、別に」
自分もその智美に育てられたので周平は平気なものだった。
「俺も妹も真っ当になってるし」
「それはそうだけれど」
「早寝早起き、躾も行き届いてるしな」
「そういうのは私達でしないと」
「そりゃ俺達も子育てしてるけれどな」
「お義母さんの海軍も入って大丈夫かしら」
「大丈夫だよ、お袋はあれで筋は通ってるからな」
周平は至って楽観的だった、少なくとも稲穂にはそう見えた。それで稲穂はどうしても智美が耕平に何をするのか不安で仕方なかったが。
耕平は朝六時になるといつも智美の総員起こし五分前で目を覚まし。
起床ラッパの音の目覚ましと共に布団から飛び起き着替え布団を奇麗に畳む、そうして祖母の前に来て挨拶をしてだった。
一日をはじめる、そして麦飯の朝食を食べるが。
耕平はいつもだ、家族で食べる麦飯について笑顔で言っていた。
「麦飯って美味しいね」
「そう、そんなに美味しいのね」
「うん、白い御飯だけでも美味しいけれど」
こちらの飯の場合もだ、智美は炊く。稲穂が炊く時はいつもこちらだが智美はこのことについては何も言わない。
「麦飯もだね」
「そうかい
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