第六章
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「共産主義の為にやったんだ!」
「理想の社会実現の為に!」
「俺達は知らなかったんだ!」
「騙されてあの国に行った奴が悪い!」
「読者や視聴者を騙して何が悪い!」
「俺達は何も悪いことはしていないぞ!」
こう言うばかりだった、その彼等のところに来てだ。
龍馬は呆れ返ってだ、こう言った。
「地獄に落ちてもこれでは救い様がないぜよ」
「んっ、あんた坂本龍馬か」
「そうだ、龍馬さんか」
「龍馬さんなら助けてくれ!」
「わし等は何も嘘は言ってないわ!」
「わしはおまん等全部見てたぜよ」
龍馬は自分に助けを乞う彼等に直接呆れ果てた声をかけた、表情もそうなっている。
「死んだ時鏡でも出てたじゃろ」
「そ、それは」
「しかし」
「生きていた時も嘘を言って害を垂れ流し自分の国や人を貶め死んでからもこうじゃどうしようもないぜよ」
龍馬は彼等にこうも言った。
「おまん等日本と露西亜の戦争を日本の侵略戦争と言ったのう」
「そうじゃないのか」
「コミンテルンが言っていた」
「あの戦争は日本の侵略戦争だった」
「それの何処が違うんだ」
「その主張はええ、しかしその主張で日本や日本人を貶めた」
それはというのだ。
「わしはそのことも許せんぜよ」
「じゃああの戦争は何だ」
「どうだっていうんだ」
「あの戦がなかったら日本はなかったぜよ」
あの戦争のことを思い出しつつだ、龍馬は言った。
「批判するのならいいぜよ、しかしそれで貶めるのは罪ぜよ」
「その罪で俺達は地獄にいるのか」
「そう言うの?」
「そうぜよ、おまん等は他にも色々罪を犯して全く反省しちょらん」
それこそ全くとだ、龍馬ははっきりわかった。
「反省せんままずっとそこで責め苛まれちょれ、人界の罪でのう」
「そ、そんな」
「どうして私達を助けないの?」
「坂本龍馬なのに」
「坂本龍馬だからじゃ」
龍馬は去る時に彼等の方を振り向いて告げた。
「わしはおまん等を助けることはせんのじゃ」
「ど、どういうことなんだ」
「それは」
「わしは生きてた時は上で偉そうにふんぞり返ってる奴が嫌いじゃった」
それでそうした者達がいなくなる世の中を待ち望んだのだ。
「そして今はおまん等が嫌いじゃ」
「階級を否定している我々を」
「嫌うというの?」
「階級を否定して階級を認めて嘘もどんだけでも吐いて人を欺いて貶める」
その彼等の所業を話した。
「ふんぞり返ってた奴等よりもずっと酷いからじゃ」
「それで俺達を助けないでか」
「地獄で責め苛まれていろっていうの」
「そうじゃ、ずっとそこにおるんじゃ」
こう言ってだ、龍馬は地獄を後にした。まだ助けを乞う彼等を無視して。
そして極楽に戻ってだ、彼は武市と岡田に酒と肴を出し飲みな
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