暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第6章:束の間の期間
第179話「後処理の合間に」
[6/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
影響を受ける。……魅了の事もあって、奏ちゃんはそれを恐れているの。……出来れば、言及しないでほしいかな」

「あ………ご、ごめんね、奏……」

「……構わないわ……いつかは向き合わないといけないから」

 “やってしまった”と思うアリシアに、気にしないように言う奏。
 いつまでも恐れてばかりではいられないと、奏は何とか落ち着いた。

「……話を戻すよ。優輝君は今感情を失ってる。それがどんな影響を及ぼすのかは分からないけど、少なくとも今までとは態度が変わると思っていいよ」

「あいつが感情を失う……なんつーか、何でも合理的に考えそうだな。今までのお人よしな部分がなくなってそうだ」

「……帝に同感だね。嫌な予感しかしないよ」

「あはは……言っておいてなんだけど、私も同感……」

 いつでも最善の結果を掴もうとしていた優輝。
 そこから“感情”の要素を抜いた場合を想像して、全員がその結論に至る。

「合理的……つまり、それって……」

「感情が介入する余地がない。……だから、とことん冷酷になるよ」

「本当にそうなるかはわからない。でも、優輝みたいに上手く物事をこなすような人物から“感情”の要素を抜いたらそうなるかもね」

 アリシアの言葉に司が続け、ユーノが補足する。
 合理的……つまり、一度敵と認識すれば、容赦なく効率的に殲滅する。
 今まで手心があった部分がなくなってしまうという事になる。

「……そういう優輝君は、見たくないな……」

「同感よ……」

「私も同感。……と言うか、そんな優輝が想像出来ないよー」

 司、奏、アリシアがユーノの言葉を聞いてそうぼやいた。
 三人とも優輝には世話になっているため、そんな優輝を想像したくなかったのだ。

「……でも、失った感情なんて、どうすれば……」

「昨日一度集まった時は、あまり気にならなかったけど……」

「……そういえば、まるで感情があるみたいだったような……」

 昨日の優輝を思い出し、アリシアと司は唸る。

「それなら、もしかすると……」

「感情が戻ってるんじゃねぇのか……?」

 当時の様子をあまり見ていない奏達は、その言葉で希望を持つが……。

「……ううん。それはないと思う。その時もどこか無機質な感じだったから……。奏ちゃんも今朝会った時に感じてたでしょ?」

「……そう、だったわね……」

 声も表情も平坦でありながら、どこか儚かった今朝の優輝。
 それを奏も思い出し、感情が戻ったという希望は泡沫と消える。

「……多分、優輝君は感情があった頃を“演じて”るんだと思う」

「感情があった頃を模倣して、感情があるように見せてるってこと?」

 ユーノの確認に司は頷く
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ