第6章:束の間の期間
第179話「後処理の合間に」
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現するもの。それだけでも十分に厄介なのに、それに加えて……」
「明らかにロストロギアなのに、“新しすぎる”。その上に優輝さんが解析するのを想定していた……不明な点が多いわ」
ユーノが漏らした言葉に司と奏が続ける。
「そう。優輝の存在を想定していた事以外は、上層部にもしっかり報告するらしいよ。……ロストロギア級の存在を作り出す何者かがいるって事になるからね」
「あれ?優輝を想定していた事は……って、そっか。そんな事伝えたら……」
「うん。良くも悪くも……いや、ほぼ悪い意味で優輝に注目が集まる」
アリシアがふと疑問に思った事を口に出し、その途中で理解する。
それに続けるようにユーノが補足した。
「よく知らない人からすれば、優輝君がいるからこうなったとか、そういう事言ってきそうだもんね……。そう考えてしまうのも分かりはするんだけど……」
「それも踏まえたからこそ、優輝を想定していた事は伝えない方針だよ。……今回の事件は、大門の守護者に隠れがちだけど、不明な点が残っているからね」
「安易に分かっている事だけそのまま伝えてもダメって訳か」
幽世の大門を開いた原因である“パンドラの箱”には、まだまだ謎が残っている。
その不気味さを危惧してすぐに封印されたが、出自などは不明なままだ。
ロストロギアとして新しすぎる所から、何者かが発掘場所に置いたと予測されているものの、それに確証も根拠もないため、ほとんど何もわかっていない。
「なんだか、せっかく激闘で勝てたのに、すっきりしないなぁ……」
「今回は謎も多く残ったからな……。すっげぇもやもやしたものが残ってるぜ」
「というか、まだ終わってないからね」
むしろ重要なのはこれからとばかりに、後始末は残っている。
自分たちが良くても、周りはそうはいかない。
周囲との擦り合わせも必要なため、苦労と言う意味では戦闘よりも大きい。
「……さすがにまばらだな」
「皆忙しいからね……大体の人は携帯できる食べ物だけ持って仕事しながら食べてると思うよ。実際、僕も今後の予定は明らかに休憩時間がなかったから」
「うえ……ブラックだなぁ……」
食堂にいる人が少ないのを見て帝が呟き、それにユーノが返す。
あまりに忙しそうなため、いくら後始末で色々あるとは言え、そんなブラック事情は聴きたくなかったと帝は顔を顰める。
「式姫の人達はどうしてるのかな?」
「アースラの勝手がわからないから一つの部屋に固まってるらしいよ。クロノから聞いただけだから今どうしているかは知らないけど」
「まぁ、式姫はこっちの魔法技術の事は知らないから、大人しいんだろうな」
気分としては借りてきた猫のようなものだろうと、帝
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