第6章:束の間の期間
第179話「後処理の合間に」
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
行けないけど、その内行くべきだろう。
私自身、まだ気になる事や調べたい事はあるものね。
「……まぁ、まずは式姫の皆に伝えないとね……気が重いわ」
『ふん。自己犠牲も厭わなかった者がよく言うものだな』
「……そうね。場合によっては、私があの二人の立場だったかもしれないわね。それは否定しないわ」
私はこの身を賭してでもとこよを止めるつもりだった。
それは、命を投げ捨てると変わらない行為だった。
他の式姫や、管理局がいなければ間違いなく私は死んでいただろう。
それも、結果をあまり残す事もなく、無駄死にという結末で。
「……ま、今はそれは関係ないわ。行くわよ」
式姫の皆がいる部屋の扉を、私は開ける。
私の気配を感じていたからか、小烏丸……蓮が出迎えてくれた。
「お帰りなさい。随分と長い間席を外していたようですが……」
「まぁ、ちょっと魔導師と貴女の教え子に会ってたのよ」
「教え子と言うほど指導はしていませんが……なるほど、彼女達に会ってたのですね」
戦いが終わったのもあって、私は式姫の皆に今の暮らしなどを聞いていた。
蓮が霊術を使っていた子たちを少し指導していた事も聞いていたりする。
だから、今の会話だけで蓮は誰に会っていたのか察してくれた。
「それで、かやのひめと薔薇姫……二人の事を偶然聞いたのよ」
「優輝さんに憑依していると言うのは戦闘で合流した際に知りましたが……」
優輝……あの大門の守護者を一時的に圧倒した彼の事ね。
椿と葵の力も感じたのは、やはり憑依の影響だったのね。
「……まさか、そういう事ですか……?」
「察しがいいのも、時には悩みものよ。小烏丸」
私の浮かない表情を見てか、小烏丸……いえ、今は蓮と名乗っていたわね。
彼女は、二人の死を予想してしまったようで、信じられないような顔をしていた。
「そう、ですか。あの二人が……」
「……詳しい事は知らないわ。でも、彼が倒れたのは二人が死んだ事による精神的負荷が原因らしいわ……」
「倒れた……ですか」
何やら、蓮は彼らと交流があったようだ。
だからこそ思う事が多いようで、非常に複雑な表情をしていた。
「……式姫は、いずれ幽世に還る身。……ですが、やはり別れは……」
「それを悲しいと思うのは、おかしくない事よ。私も、あの二人が死んだ事は少なからず衝撃を受けたのだから……」
「はい……」
私にとっては、鵺から解放してくれた恩人の式姫でもある。
その二人が死んだのは……今でも、信じられない。
「いずれは知れ渡るでしょうけど、一足早く皆には伝えておこうと思ってね」
「そうですか……。……とりあえず、皆さんに
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ