暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第18話 壊せない今
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その日の夕方。
朝の出来事を忘れることは出来なかったものの、これからも何事もなく終わればいいな、という願望で頭の中を無理やり上書きしたエースは、ミストと共に自宅への帰路へとついていた。
「いやぁ、今日も無事に終わったな」
「こうして生活してみると、意外と慣れるもんだね」
いくら見知っている相手とはいえ、最初は異性とひとつ屋根の下で生活することに抵抗しかなかった2人も、今は依頼だから、と割り切れるほどには慣れた。いつもの生活に1人増えただけ、という風にも考えられるようになっている。
また、当初は2人だけでする予定だった依頼は、成り行きではあるが新たな協力者として加わったセレシアのおかげで、目の離れる時間を減らすことが出来た。クラスも性別も違うのに一緒にいて周りに怪しまれることだけはフローラの立場を考えて真っ先に避けたい事案だったので、その部分をある程度セレシアに任せられるようになったことで安全度は高まったと言ってよい。
そのおかげもあってか、フローラを守り抜きながらの生活は残り2日とあと少しのところまで減った。これからさらに日数が追加される可能性があるとは言え、とりあえずここまでこれたということだけでも、2人が安心するには十分なことだった。
「そう言えば、今日の晩御飯のメニューまだ決めてないや。何にしよう?」
「そうだなぁ……」
エースが歩きながら考えるが、何も浮かばない。いざ聞かれると何も出てこないのはいつものことである。
「今日は特に食べたいものないな」
「じゃあ冷蔵庫の中身見てから決めよう。ちょっと遅くなるけど」
「なら荷物持ち付き合うぞ」
「そうしてくれると助かる」
ということでまずは帰宅せねばならなくなったので、自宅方面と買い出しにいつも行く店の方向に分かれている道を、自宅方面へ向かう。やや緑の生い茂る道を抜けて、時刻のせいもあってか夕陽によって外観がより映えている我が家にたどり着くと、鍵のかかっていない扉を開ける。
この数日の間に、万が一先に帰る可能性を考えフローラに合い鍵を渡しているので、今この扉が開いていたとしてもすぐに異常事態とは言えない。ソレーラがいるか、フローラが先に帰ってきているかの2択である──
──と思っていたのだが。
「……なんか多くないか?」
「多いね」
今日はまだソレーラが学校にいるので、本来なら靴は棚にあるものを除けば1つしかない。しかし、今の2人の目の前には何故か2つの靴がある。それはすなわち、自分たちの家にフローラ以外の誰かがいる、ということになる。
異常事態の可能性を告げる光景に、2人はやや急ぎ足でリビングへと向かう。我が家で何か起こっているのか、と少しの不安がよぎり、短い距
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