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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第18話 壊せない今
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きなり何を言うんだ」
セレシアからの発言にコーヒーを吹きそうになりつつ、きちんと反応をするエース。もしミストがいたら、からかわれて余計に話がこじれていただろう。
そうならなかっただけよしとして、エースは常識的にとんでもない発言をしたセレシアに対して質問を返した。
「てか、なんで泊まりたいのさ。プラントリナさん寮生活中でしょ。物理的な距離はそんなにないぞ」
「あーえーとね。あたしがフローラと一緒にいたいのもあるけど、フローラの両親からちょっと見てきてくれー、みたいな感じ?」
セレシアがフローラの両親を知っているのは、初日の朝にフローラの父親であるテレノに言われたように彼女がフローラの親戚であるならばおかしくない話である。やや曖昧に聞こえる理由も、筋は問題なく通っている。
ただ、一つ屋根の下で年頃の少女と少年が夜を過ごすというのは、字面からしてよろしくない響きしかない。すでにフローラと過ごしているので本当はそんな問題ないに等しいのだが、それでも謎の自制心が働き、エースが決断を渋っていると……
「私からも、お願いしていいかな? 今まで安心出来なかったわけじゃないんだけど、セレシアがいてくれた方がもっと安心だから……」
「僕はいいと思うよ。親の意向なら無視できないしね。まぁ、エースの仕事が1つ減っちゃうけど、それはしょうがない」
「……これもうノーとは言えないだろ。いいよ、泊まってっても」
「やったね」
キッチンにいるフローラだけではなく、自室から制服姿で現れたミストも援護に加わった結果、四面楚歌となってしまったエース。選択肢が1つしかないこの状況では、2つ目を作り出すことは出来ないだろう。半分やけくそのような形で、セレシアの宿泊を認めた。
「今晩は色々と聞かせてね、フローラ」
「うん」
気分をよくしたセレシアとフローラのガールズトークがキッチンで展開されていく一方、リビングではエースがため息交じり表情でぼやいているのをミストが宥めるような形で会話をしていた。
その間、フォンバレン家のどこかでぼんやりと光を放っていたものがあったことは、この時誰も知らなかった。
* * * * * * *
「あーそれあたしの」
「早い者勝ちだっての」
「まだあるから、喧嘩しないで。ね?」
「そうそう、食い意地張らない」
最初は夏なのに何で、と男性陣が思ってしまった鍋料理も、あっさりしていて美味しいということでついつい手が伸びてしまっていた晩御飯。楽しい食事の時間はあっという間に過ぎていき、鍋の中身も綺麗にからっぽになっていた。
「あー美味しかった」
「同感。夏に鍋っていうのもいいね」
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