暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第18話 壊せない今
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離がいつもより長く感じた廊下の先、リビングと廊下を隔てる扉を開けて……


「あ、お帰りー」

 その後で返ってきた2人を出迎えるだけのなんでもない言葉に、2人は揃って拍子抜けした。

 その言葉の発生源であるキッチンには、制服の上からエプロンをつけているフローラとセレシアの姿があった。普段なら男性陣にとって微笑ましく思えるその光景も、今だけは全く思えなかった。

「なんでプラントリナさんがいるのさ」

「フローラがねー、たまには私が料理作るっていうから、あたしはそのお手伝い」

「ねぇセレシア、それ……言わない約束だったよね?」

「そうだけど、今の2人を見る限り秘密ってわけにもいかなさそうじゃない?」

 繰り広げられる緊張感の欠片もないやりとりに、男性陣は揃ってため息をつく。楽しいことはもちろんいいことであり、それを否定する気は2人にはないのだが、それとこのため息の原因とは全くの別問題である。

「あのね、僕ら依頼でスプリンコートさんを見守ってるわけなんだけど……そこんとこ、きちんと理解してる?」

「もちろん。このことは誰にも言ってないし、ここに来るのもフローラと一緒に周りを見ながら来たから、特に問題はないと思うよ」

 そのセレシアの言葉を疑うわけではなかったが、依頼の内容としては誰かにこの場所が知れわたることはマズイことである。その言葉に?偽りがないかどうか、フローラに視線を投げかける形で問うと、問われた本人はその首を縦に振った。

「2人でキョロキョロしながらここまで来たから、大丈夫だと思うよ。周りから見れば、少し怪しかったかもしれないけど」

「……まぁ、信用してるからいいんだけどさ。残り少なくなったとはいえ、まだ依頼の最中だってこと、忘れないでよ」

「はーい」

 セレシアは一応部外者であるが故に、それがいいかどうかは別として多少浮いていても理解は出来るが、フローラに至っては自分が護衛の対象である。自己理解が足りていないのではないか、と少し思ってしまう。

 だが自分たちに料理を作ってくれる、ということもあり、強く否定することは出来ない。エースとミストはそれ以上言及することは止め、現状を素直に受け入れることにした。

「で、メニューは何?」

「それはまだ秘密にさせて。作り始めたばかりだから」

「そっか。じゃあ楽しみにしとこう」

 伏せられたメニューが気にはなったが、とりあえず自室に荷物を置いたあとは好きなようにして料理を待つことにした男性陣。ミストは自室に籠ったままだが、エースはすぐにリビングへと戻ってきて新聞片手にミルク入りのコーヒーを飲んでいた。

「あ、そうだ。ねぇ2人とも、今日あたしもここに泊まっていい?」

「んっ………!? いや、い
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