暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスコアガール 前世がゲームオタクの俺がラブコメを展開するのは間違っている件
格ゲー黎明期にハメや待ちはリアルファイト
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ないぜ日高。

「そして総大将の曹操は、俺は何の躊躇もなく殺す!」

「歴史が変わっちゃうよ」

『敵将 曹操、討ち取ったりぃー』

天地を食らう2のステージ9の呂布を倒すと最後に曹操を殺すか見逃すかの二択が選べる。見逃すを選ぶと魏呉蜀の三国となるルートと、曹操を倒すと蜀が漢王朝を復活させるルートになる。逆に曹操を取り逃がすとBADエンドになるんだよな。

やっぱ天地を食らうシリーズは面白いぜ。特に2は俺が最も気に入ってる名作の一つだ。

「てか日高は俺を無視して直ぐにクリスマス会に行けばよかったじゃねえか」

「え……そんなこと言わないで」

「ん。まあ、日高がいいならそれでいいけど」

何か一瞬。日高の表情が寂しそうな感じがしたな。

「でもよ。日高の家がアーケード筐体を置いてくれて嬉しいぜ。しかも俺の知ってる名作ばかりだしな。さっきプレイした天地を食らう2の他には、熱血硬派くにおくん、スーパーストリートファイター2が導入されてるからな。日高の親父さんはゲーマー心がよく分かってるよ」

「私は不良のたまり場になるんじゃないか心配だよ」

「安心しろよ。最近の不良はあんまり駄菓子屋や日高の店みたいな場所でゲームする事は少ないからな」

不良たちは日高の店みたいに目立ちやすい場所にいる事は滅多にないしな。地下や一般人が行きつらい場所にたむろする事は多いけど。

「でも矢口君って凄いね」

「何がだ?」

「今日、教室であんな酷い事を言われても気にしないでゲームをやってる事だよ」

「あ〜あれか。別に気にしてないよ。普段から言われ慣れてる事だから」

ゲームに偏見を持つ輩は昔からいるし、そんな悪口をいちいち気にしても仕方ないし。

「言われ慣れてる?」

「そうだよ。俺みたいなゲーマーは基本的に親世代からは理解はされないし、同世代の人間からも一部は理解されずに馬鹿にされることはざらだ。いちいち気にしてたらゲーム何てやってらんないぜ」

「そんな……あそこまで馬鹿にされて悔しくないの?」

「まあ確かにムカつくけど、別に俺はアイツらに俺の趣味を理解してほしいとは思ってないし」

「じゃあ矢口君は何のためにゲームをやってるの?周りに理解されないでゲームを続ける目的は何なの」

日高。そんなの決まってるじゃねえか。

「ゲームが好きだから」

好きでもない事を毎日続ける事は出来ない。それは当たり前の事だ。好きだからこそ俺は毎日ゲームをプレイしているんだぜ。確かにゲームは何も生み出さないかもしれない。実際にそうだ。ゲームの腕が上手くたって世間から称賛されることはない。ゲーマーというある一部の人間に認められるだけだ。プロ野球や大相撲のように世間から認められなくてもいい
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