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真ソードアート・オンライン もう一つの英雄譚
第一部
幕間の物語
流星と黒猫
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はなz────────」

すると、今度はアキトが動いた。俺をベッドに押し倒しすごい形相で俺を見てくる。

「何で君がキリトとサチの事を知ってるの?アヤト。君は何者なの?」
「アキト……?」

アキトは身体を起き上がらせると後ろを向いて一言。

「ごめん……」

と言う。俺も起き上がる。

「こっちこそ悪かったな。取り乱して。俺とキリトは友達だ。俺はアイツを親友だと思ってる。サチも同じだ。サチも俺の友達だ。俺はアイツに作ってもらったこの槍で……」

俺は背中の槍を抜こうとするが、手が空振る。
そういえば《ライト・コンダクター》を取りに行ったら此処に来ちゃったんだっけ。
ふぅ……と溜め息を吐き、アキトを再び見つめる。

「なぁアキト。頼む。あいつらが何で死んだ事になってるのか教えてくれ」
「……」

アキトは深呼吸を何度か繰り返すと、

「………….キリトは、75層のフロアボス攻略戦でヒースクリフとのデュエルで……」
「ヒースクリフ?何でヒースクリフが出てくるんだよ?」
「そうか……じゃあそこから話をするよ」

俺はアキトから75層で起こった事を教えてもらった。ヒースクリフは茅場晶彦でキリトは全プレイヤーの解放を条件にデュエルを行い、その結果キリトは死んでしまった。ヒースクリフは消え、どうなったのかは分からないらしい。
サチに関しては更に随分前にダンジョン内でモンスターに殺されてしまったとの事だ。アキトはその話をしている時の表情は険しかった。アキトもこの二人とはすごく仲が良かったのだろう。俺は膝をついて座り込む。両手を地面に着けて身体を支えた。

「アヤト。君がなぜ下層からここに来れたのかは俺にも分からない。でも何となく思う事があるんだ」

アキトは真剣な眼差しで俺を見据える。俺もアキトを見つめ、唾を飲み込んだ。

「君は多分この世界の人じゃないんじゃないかな」
「……へ?」

アキトの一言に俺は間の抜けたような声を出してしまう。この世界の人じゃない?どういう意味だ?

「この世界の人じゃないってどういう事だよ」
「そのままの意味だよ。キリトもサチも君の言ってる事とは齟齬が多いからね」
「でも、それって物理的に無理なんじゃないか?それってここがパラレルワールドって事になるしさ」
「そうだね。可能性は限りなく低いと思う。普通ならアヤトの言ってる事なんて死者の冒涜。俺たちへの嫌がらせ程度にしか思われないと思うんだ。でもね」

アキトは目をつぶって

「もし皆んなが生きている世界線があるなら……」
「え?」

俺はアキトの顔にハッと息を飲む。アキトの瞳から一筋の涙が流れ落ちた。しかしアキトの表情は穏やかで先程とは大違いだった。窓から差し込む光を受けて涙はキラキラと輝く
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