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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
74話:K文書
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「ヤン少佐、お帰りなさい。ローザス提督とのお話は如何でしたか?一応、要望された資料は整理してデスクにまとめておきました。なにか必要なものがあればご指示頂ければ幸いです」

「ありがとう大尉、ローザス提督との時間は楽しいものだったよ。今日はこのまま資料を確認するから、こっちはもう大丈夫だ。そちらの業務が済んだら上がってくれ」

私がそう言うと、大尉は敬礼をして部屋から出て行った。100kgはありそうな巨漢だが、見かけによらず掻い摘んで要点を説明するのがうまい。面会や資料の手配など、なにかと他部署への打診が多いこの任務で、そう言う事が苦手な私にとっては有り難いサポート役だ。もう何度も読んだ書籍だが、まずは『ローザス提督の回顧録』から読み直すことにする。デスクの横に置かれたポットにはお湯が用意されている。私が紅茶派だと知ってからパトリチェフ大尉が用意してくれたものだ。こういう細かい配慮も私は苦手だから正直助かっている。

紅茶の香りを感じながら、ページをめくりのんびりと回顧録を読み進める。『一生この任務なら天国なのだが......』などという考えが頭をよぎったが、さすがにそれは無理な話だろう。この任務を割り当ててくれたキャゼルヌ先輩に少しでも次の任務を遅らせてくれるように願いながら、楽しい時間を私は過ごしていた。
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