機動戦士ガンダム
2212話
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んな風に考えつつ研究所の中を歩いていると、前方からジャンが歩いて来ているのが見えた。
当然向こうもこちらに気が付いたのか、足を止めて敬礼してくる。
「人前ならともかく、身内だけの時はそこまでする必要はないと思うんだがな」
「いえ、公私はしっかりと区別するべきです」
ジャンのその言葉に、堅苦しい奴という風に思いはしたが、それもまたジャンらしいと考え、それ以上は何も言わない事にする。
「それで、ジャンはこれから格納庫に行くのか?」
「はい。ヅダの様子を見たくて」
「……なるほど」
ヅダ好きなのは相変わらずだな。
ジャンは軍人として礼儀正しく、パイロットとしての腕も青い巨星や黒い三連星のような異名持ち程ではないにしても、凄腕と呼ぶに相応しい能力を持っている。
だが、そんな数々の美点を打ち消すのが、このヅダ好きだ。
いやまぁ、ヅダ好きというのは決して悪い事じゃない。
それこそ、これから自分が乗る事になる機体なのだから、それに愛着を持つのは寧ろ良い事だ。
……ただ、ジャンの場合はヅダに対する愛情が強すぎるんだよな。
「そうか。……他のテストパイロット達はどうだ?」
「まだシミュレータでの訓練だけですが、腕は悪くないかと」
そう告げるジャンだったが、言葉程に満足そうな表情は浮かべていない。
ジャンとしては、出来れば自分の同僚達にはもっと腕を磨いて欲しいと思っているのだろう。
実際、それは俺としてもありがたい事なのは間違いない。
現在テストパイロットをやっている者達は、ヅダの改修が終われば、それが問題ないのかどうかを確認した後、ルナ・ジオン軍に編入される事になっている。
当然の話ではあるが、ヅダの教導隊的な扱いになる可能性が高い。
……普通であればそこまでする必要はないのだが、ヅダの元々の性能やらその出自やらを考えると、その辺りはしっかりとしておくに越した事はない。
それだけに、教える立場のパイロット達の動きが悪いとなると、ルナ・ジオン軍的に色々と不味いは間違いないのだ。
当然の話だが、ラルや黒い三連星といった面々に勝てるようになれ、とは言わない。
いやまぁ、そんな風になってくれるのなら、こっちとしてもありがたいのは間違いないんだが。
ここは、ちょっとジャンのやる気を出させておくか。
「ヅダの改修が終われば、各種テストをした後で十分な性能を示すことが出来ればルナ・ジオン軍で採用されるだろう。その時、現在使われている他のMS……SEED世界やW世界のMSの中に埋もれるか、もしくはその性能を最大限に発揮して主力MSとなるか。それは、ヅダの性能もそうだが、テストパイロット達の腕も関係してくる。それをしっかりと覚えておくといい」
「……は!」
俺の言葉に何
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