堕ちた二人
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を助ける為のページがある」
ルーシィはわずか1ページ開いただけでそんなことまでも読み取ってしまった。
「見つけなきゃ。それがきっとあたしたちにできること」
ゼレフを倒した後もナツを行き続けさせるためにルーシィたちが戦っている最中、肝心の彼は絶対の魔を手にいれた男と相対していた。
「初代、もうダメだ・・・消すしかねぇ」
魔力を吸い取られたことにより意識を失っているメイビス。抱き抱えていた彼女を床に寝かせながら、ナツは闘志を燃やしている。
「消す?この僕を?」
そのナツの言葉にゼレフは不敵な笑みを浮かべた。無理もない。それだけ強大な力を彼は手にいれてしまったのだから。
「他に誰がいるって言うんだよ!!」
全身が文字通り燃え滾っているナツは拳を握り締め突撃する。
「君にできないからこうするしかないんじゃないか」
向かってくる弟の姿。それを見つめるゼレフは冷静そのものだった。
「炎竜王の・・・」
ドラゴンフォースを解放したことにより自身の持てる最大限の力を生み出せる状態のナツ。それに対し、ゼレフは表情を変えることなくその姿を見つめている。
「崩拳!!」
ドゴォ
けたたましい爆音と共に粉微塵にされるゼレフ。すべての力を出し切ったナツは大きく空けられたギルドの穴を見つつ、息を切らしていた。
「すまねぇ、じっちゃん。またギルド壊しちまった。ゼレフもろともな」
存在ごと敵を蹴散らすことに成功したナツは満足げな表情を浮かべるナツ。しかし、その顔はすぐに絶望へと染まることになった。
フワッ
崩れ落ちた瓦礫が宙に浮かび上がっていく。それが次第に集まっていくのは、崩れ落ちたはずのギルドの扉だった。
「なっ!!」
崩れ落ちる前の状態に戻ったギルドの壁。そしてその前に現れたのは、倒されたはずのゼレフだった。
「元に・・・戻った・・・」
「これが妖精の心臓の力さ。時と空間は全て僕のもの。尽きることのない無限の魔力・・・ありとあらゆる"魔"の頂点と言ってもいい」
動揺しているナツに一歩、また一歩と歩み寄っていく。魔力を使いきり、動くことのできない弟を射程圏内に捉えると、迷うことなく兄はその拳を振りかざし・・・
「がっ」
弟の胴体を貫いた。
「最後に一つ、言い忘れていたね」
力を失い、地面にゆっくりと崩れ落ちていくナツ。ゼレフはその肉体から腕を引き抜くと、すれ違うように通りすぎていく。
「マカロフに謝る必要はないよ。もうこの世界はなくなるんだから」
ゼレフの最終的な目的・・・それを聞いていたナツはその野望を阻止することができなか
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ