堕ちた二人
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中、ティオスは彼の腕を掴み容易く投げ飛ばした。
「わぷっ」
激しく地面に叩き付けられた水の竜にティオスはエルボーを食らわせる。その瞬間に小さな彼の体から鈍い音が微かに聞こえた。
「ぐはっ・・・」
あまりの激痛に立ち上がることすらできなくなる。ティオスはそれを確かに感じ取ったのか、さらなる追撃を食らわせた。
「氷神の握撃!!」
先程は腹部へと攻撃だった。その分致命的なダメージを与えたとは言い難かった。しかし、今度の一撃は違う。ティオスは今度は彼の顔面目掛けてその拳を振り下ろした。
ゴンッ
鈍く、痛々しい音が周囲に響き渡った。地面にわずかに埋もれていた少年は、より深くまで沈んでおり、拳を上げるとそこには完全に白目を向いている水竜の姿があった。
「勝負あったようだな」
ライバルの重たい一撃により失神したシリル。それを見届けたティオスは、足早に妖精の尻尾へと向かったのであった。
その頃、先程までギルドにいたこの三人は・・・
「・・・ってぇ・・・何だ今の・・・」
「ギルドの方からだよ」
全魔力を解放したゼレフの波動を受けたことにより突っ伏していたグレイとハッピーが立ち上がりながらそう言う。
「ルーシィ、大丈夫か」
「うん・・・」
金髪の女性もようやく立ち上げる。その手に握られている一冊の本を大事に抱えながら。
「飛び出してきた文字は!?」
彼女の持っている本・・・それはENDの書だった。彼らはナツの命を握っているその本を持ち出し、彼を助ける方法を考えていたのだ。
「本の中に収まってるみたい」
「一体どうなってやがる」
三人はまずは本の中身をということでそれを開いたのだが、突如無数の文字が飛び出してきて困惑した。ちょうどそのタイミングで魔力の波動を受けたことにより倒れてしまったが、結果的には文字が本の中に戻ったと言える。
「超高度生体リンク魔法・・・たぶん、この本とナツは生体リンクで繋がってる」
「え?」
作家を目指しているルーシィは本のことには異常に詳しい。彼女はこの本を手に取り、文字が飛び出したことを見てその本の役割を感じ取った。
「もし・・・書き換えることができたら・・・」
「書き換えるって・・・あの量をか!?」
ルーシィの言葉に驚いたのはグレイ。しかし、彼の驚きはもっともである。
「1ページ開いただけであの情報量だぞ!!しかもあれでもまだ圧縮された量だ!!」
それを書き換えるのはあまりにも膨大な時間を擁することは目に見えている。しかし、その言葉を聞いていたルーシィは至って冷静だった。
「全部じゃなくていいと思うんだ。きっとどこかにナツ
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