第55話 ロランスの実力
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ェェェ!!」
激高したリィンはロランスに向かって飛びかかった、ロランスは大剣を構えてリィンを斬ろうとしている。
(このままじゃリィンが……!)
死んでしまう。そう思ったわたしは体の痛みなど無視して立ち上がりリィンに向かっていった。
「リィン、駄目!」
「グガァァ!?」
リィンに飛び掛かったわたしはそのまま彼を地面に押し倒した。ロランスは攻撃の手を止めてわたし達の様子を見ていた。
「グゥゥ、離セ!」
リィンは暴れてわたしを引きはがそうとする、それに対してわたしは必至でリィンを押さえつけた。
「お願い、もう止めて!それ以上戦ったらリィンが死んじゃう!」
「五月蠅イ!邪魔ヲスルノナラオ前ヲ殺スゾ!」
リィンは怒り狂い最早喋り方すら変化していた、それでもわたしは逃げずにリィンを抑え込む。
「……いいよ、リィンになら殺されてもいい。約束したもんね、死ぬときは一緒だって」
「ナニ?」
「ごめんね、リィンが苦しんでいる時にわたしは何もしてあげられなかった。あなたが必至でそれを抑え込もうとしていたのにわたしはもう大丈夫だって思ってしまった」
今やっと理解した、リィンはずっと一人で戦っていたんだ。
わたしはリィンがあの力を使わなくなったからもう大丈夫だって思いこんでいた、でも違ったんだ。リィンはわたしに心配をかけないように一人でずっと戦っていた。
「あなたが欲しいのならわたしの命でも何でもあげる、だからもうこれ以上傷つかないで」
「グゥゥ……!」
「大好きだよ、リィン」
わたしはそっとリィンの唇に自身の唇を重ねる。リィンはわたしを引きはがそうとするが頭を押さえて逃がさないようにする。
(お願いリィン、元に戻って……)
最初は抵抗していたリィンも次第に落ち着きを取り戻したようにおとなしくなっていった。リィンが完全に暴れなくなった後、わたしはリィンの頭をギュッと抱きしめて頭を撫でた。
「大丈夫、わたしが傍にいるから。もう一人にはしないよ」
「……フィー」
するとリィンの髪が黒色に戻り、リィンはまるで糸の切れた人形のように崩れ落ちる。
「リィン!……気絶しちゃっただけか、良かった……」
「ほう、暴走を静めたか」
「ロランス……!」
安堵するわたしにロランスが感心したかのような声をかけてきた。わたしはズキズキと痛む体を無視して武器を構えるがロランスは一向に向かってくる様子はない。
「興覚めだな、今日はここまでにしておこう」
「お前はリシャール大佐がいるこの先の通路を守っているはず、それを放棄すると言うの?」
「俺には俺の目的があるだけだ、お前
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