第55話 ロランスの実力
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振るい激しい攻防を続けていく。二人の姿が消えたと思ったら、次の瞬間には違う所で斬り合うという光景がわたしの目に映っていた。
(なんて戦いなの……)
あまりにも人間離れした戦いにわたしは絶句してしまう、こんな戦いは団長が闘神と戦っている時にしか見た事が無い。
「せやァ!!」
ロランスがリィン目掛けて突きを放つがリィンはそれを素早くしゃがんで回避する。
「しゃああっ!」
そして下からすくい上げる様に太刀を振るいロランスの大剣を真上に弾いた。その隙をついたリィンが攻撃を仕掛けるが、ロランスはそれを驚異的な動きで紙一重でかわしてリィン目掛けて大剣を振り下ろす。
「リィン!」
わたしは咄嗟に声を上げる、ロランスの一撃はリィンの上半身を切り裂くが彼はギリギリの所で後ろに後退してダメージを抑えていた。
「おらぁっ!!」
そして振り下ろされたロランスの大剣を踏みつけて斜めからの斬撃で斬りかかった。だがロランスはそれをかわそうとわせずに打撃でリィンの心臓を狙う。
打撃を右腕で防いだリィン、だが腕からゴキリと嫌な音がするが彼は構わずにロランスに攻撃を仕掛けた。
「くたばれ!」
「良くしゃべる奴だ」
理性を失いかけているリィンの様子を見てロランスが苦笑を漏らす、そしてリィンの攻撃を弾いたロランスはリィンを蹴り飛ばした。
「がはぁ!」
壁に叩きつけられたリィンにロランスがリィンの顔目掛けて突きを放った。リィンは首をそらしてかわすが肩を切り裂かれる。
「捕まえた……」
「むっ!?」
だがリィンは傷など気にしないで自身の肩に刺さったロランスの大剣を片腕で捉えると、自分の太刀をロランスの足に突き刺した。
「滅・破甲拳!」
いつもより深く抉る様に放たれた破甲拳はロランスの装甲鎧にヒビを入れた。
「がはっ!?」
初めてロランスにまともなダメージが入り、彼は武器を手放して後退した。それを好機と見たのかリィンは太刀を取りロランスに斬りかかった。
「死ねぇぇぇ!!」
「……甘いな」
だがロランスはリィンの太刀を両手で挟み込むようにして受け止めてしまい、挙句には太刀をへし折ってしまった。そしてロランスは動揺したリィンを蹴り飛ばして折れた太刀を放り捨てた。
「最初は翻弄されたが所詮は理性の無くした剣……獣のそれとなんら変わりは無い。見極めるのは簡単だった」
「ぐっ、うゥゥ……」
「力に翻弄される哀れな男よ、お前は何も守れはしない」
「グッ、ダマレ……!」
「その調子ではいずれお前自身が仲間を、そして妹を殺すことになるな」
「ダマレェェ
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