第55話 ロランスの実力
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どリシャール大佐達は一向に見つからないな、流石に疲れてきたぞ……」
「多分最深部にいるんじゃないのかな、ラッセル博士の話ではエステル君がカノーネ大尉と戦った辺りが中間だからもうすぐ着くと思うよ」
「なるほど、ここからが本番という訳だな」
リィンのつぶやきにオリビエが補足をする、さっきの場所が中間ならここまで来るのに大分かかったので多分もうすぐ最深部に付くはずだ。
ラウラも決戦の時が近い事を感じたのか気合を入れ直していた。
「いや、どうやらもうそこにいるようだ」
リィンが前の通路に鋭い視線を送る、するとそこの物陰から赤い仮面と装甲鎧を纏った人物が現れた。
「ロランス少尉……」
わたしはかつて自分の腕を切り裂いた男を前にして身震いをした、あの時に感じた威圧感は更に大きさを増していたからだ。
「カノーネ大尉は敗れたか。まあ想定内の事だったがな」
「味方がやられたのに随分と冷たいんだな?」
「敗れた者に未来などない、あるのは死だ。お前達も猟兵なら理解できるだろう?」
ロランス少尉はわたしとリィンを見て猟兵と言った、やっぱりバレていたんだね。
「流石は情報部、俺達の事も既に調査済みか」
「リート、そしてフィルなどという人物がこの国に入国したと言う記録は無かった。調べていくうちに噂の猟兵の兄妹と容姿や特徴が一致したのでな。まさか元同業者に会う事になるとは思ってもいなかったぞ」
そういえばエステルが言ってたっけ、ロランス少尉は元猟兵だったって。リシャール大佐がロランス少尉を情報部に勧誘した事以外は謎に包まれているとも聞いた。
「こっちもリベール王国で元同業者に会えるとは思ってもいなかったよ。でも不思議なんだ、どうしてアンタほどの実力者の名前すら知らなかったのか……それだけの実力者なら間違いなく二つ名を付けられているはずだ、でもロランスなんて猟兵は聞いた事もない」
リィンはわたしよりも長く猟兵を続けている、故にわたしの知らない猟兵や既に解散した猟兵団の事も知っていた。
でもそんなリィンでも聞いた事が無いというのはおかしいかもしれない。
「アンタ、本当に猟兵なのか?」
「それを知った所でどうする、俺達はおしゃべりをする為に対峙したわけではないだろう」
「それもそうだな」
リィンはそう言うと太刀を抜いて構えを取る、ラウラやオリビエも武器を抜きわたしも武器を取り出した。
「フィー、そなたが持っているその武器は双銃剣か?」
「ん、オリビエに用意してもらった」
「流石にフィー君がいつも使っているような上物ではないけどね」
「構わない、これで戦いやすくなった」
わたしはオリビエに要してもらってい
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