第二章
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「そうすればいいよ」
「それじゃあね」
それならとだ、秋奈は夫の言葉に頷いて菊菜のひたしを食べた。そうした話をしつつ夫婦の夜の時間を過ごしていた。
そして日曜学校が休みの日にだ、秋奈は近所の主婦友達と楽しく買いものをしてからマンションに戻ろうとしたが。
ここでだ、その友達が秋奈に言ってきた。
「諸星さんガジュマルの木好きよね」
「ええ」
その通りだとだ、秋奈はその友達に答えた。
「沖縄が好きでね」
「沖縄料理も好きで」
「それでよね」
「あの木も好きよ」
ガジュマルの木もというのだ。
「実際にね」
「そうよね、だったらね」
「だったら?」
「今から見に行かない?」
そのガジュマルの木をというのだ。
「そうしない?」
「そうね。好きだけれど最近見てないし」
それならとだ、彼女も答えた。
「それならね」
「今からね」
「見に行って」
「そうしましょう」
こう話してだった。
秋奈はその主婦友達といっしょにガジュマルの木を見た、大正区の公園にあるその木は大阪の街にはいささか不釣り合いであり似合ってはいなかったがそれでもだ。秋奈はその木を見て自然と笑顔で言った。
「沖縄にはいないけれど」
「それでもっていうのね」
「ええ、ガジュマルの木が見られることは」
好きな沖縄のその木がだ。
「嬉しいわね」
「そうでしょ」
「沖縄には行けなくても」
「沖縄料理食べてね」
「それでガジュマルの木を見たら」
「沖縄感じられていいわよね」
「そうよね」
二人で話してだ、そうしてだった。
秋奈はベンチに座って目の前にあるガジュマルの木を観て楽しんだが不意にだった。足元にあるものを見付けた。それは何かというと。
「お魚の目?」
「お魚の?」
「ええ、これってね」
白く小さな透明なものだそれはだった。
食べ終わった後の魚の目だった、秋奈はその目を見て言った。
「お魚の目の食べた後よね」
「そんなの何で落ちてるの?」
主婦友達は秋奈の言葉に首を傾げさせた。
「公園に」
「ここでお魚食べたとかじゃないかしら」
秋奈は友人に少し考えてから答えた、二人で仲良くベンチに隣り合って座っているが間違ってもカップルではない。
「それでかしら」
「公園でお魚ね」
「ちょっとないけれどね」
「お菓子やたこ焼きならともかくね」
大阪は何はともあれたこ焼きだ、あとお好み焼きや焼きそばだ。
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