第一章
[2]次話
薬屋の忍者
良佳は三重県伊賀市にいる忍者であり薬屋の店員だ、この職業から伊賀市の人々は一つ思うことがあった。
「まさかな」
「忍者って薬の調合もするよな」
「毒薬な」
「それ作ってるな」
このことを話すのだった。
「じゃあな」
「若しかしたら」
「良佳ちゃんもな」
「ひょっとしたら」
「毒も」
こう考えずにはいられなかった、それでだった。
良佳について警戒するものがあった、だが良佳は忍者独特の修行から培った勘からそうした声に笑顔で答えた。
「毒のレシピ知ってるで」
「ああ、やっぱり」
「やっぱりそうか」
「忍者だけあってな」
「毒の造り方知ってるか」
「そうなんだな」
「トリカブトとか使って」
毒の具体的なものも挙げていく。
「色々な毒造られるで」
「それまずいだろ」
「毒なんか造ったら」
「そんなことしたら」
「いや、知ってるけどな」
それでもとだ、良佳は笑って答えた。
「実際に造るかどうかは別やん」
「だから造らないか」
「それはしないか」
「法律で禁止されてるから」
だからだというのだ。
「そうしたことはな」
「しないんだな」
「流石に」
「毒を造ることはしないか」
「知っていても」
「知っててもな」
それでもというのだ。
「犯罪やから」
「実際に造ったらか」
「それで売ったら」
「法律は守らなあかんやん」
この常識をだ、良佳は話した。
「そやから最初から造ることせんし」
「売ることなんてもっとか」
「しないんだな」
「そやで、若し売ったら」
その時はというと。
「うち捕まるやん」
「見事に犯罪者か」
「そうなるからか」
「せんで、売る薬はな」
それこそというのだ。
「普通のお薬ばっかりやで」
「それは何よりだよ」
「忍者だからっていっても毒は売らないか」
「造り方を知ってても」
「それでもか」
「そや、造らんし売らんで」
それはあくまでというのだ、それでだった。
良佳は毒は売らなかった、だが。
激務が続いてかなり疲れている客を見てだ、良佳はすぐにその客に言った。
「これはあきません」
「駄目だっていうと」
「お客さん疲れ過ぎです」
こう言うのだった。
「それでは近いうちに倒れますで」
「そうなると思って」
全く元気のない顔でだ、客も話した。
「ここに来て」
「元気のつくお薬をですね」
「貰いに来たけれど」
「はい、それならです」
即座にだ、良佳は客にある薬を出した。その薬はというと。
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