第二章
[8]前話
「大津波を起こしたから」
「海がどうか」
「それも見ないとね」
「駄目よね」
「だから」
それでというのだ。
「ここはね」
「海の幸も見ることね」
「そう、ここは」
「私達は海の妖精だし」
「だから」
それだけにというのだ。
「ここはね」
「お店に入って」
「海の幸も食べましょう」
「それじゃあ」
ぎばさも頷いた、そうしてだった。
二人で今度は居酒屋に入った、海の幸は居酒屋に多いのでそうした。それでぎばさは魚に貝類にだった。
東北名物のホヤそして二人にとって欠かせないものであるアカモクも頼んだ。そうして食べてみたが。
頼んだものの味を確かめてだ、ぎばさは共に食べている神話生物に目を明るくさせてそのうえで言った。
「まだね、苦いものがあって」
「傷跡がね」
「残ってるけれど」
それでもというのだ。
「随分とね」
「戻ってきてるわね」
「ええ」
実際にというのだ。
「それもかなり」
「仙台も他の東北の地域も」
「酷い傷を受けたけれど」
人も場所もだ。
「それでもね」
「皆必死に頑張って」
「そうしたから」
このままでは駄目だ、必ず復興しようと決意し必死で頑張ってだ。
「そうしたから」
「ここまで戻ったわね」
「ここまで戻ったら」
「後はね」
「絶対にかつての様な」
「元気な東北に戻れるわ」
「完全に」
二人は確信した、海の幸を食べて。
「じゃあね」
「私達もね」
「仙台、東北の人達と一緒にね」
「頑張って応援して」
「やっていきましょう」
「ねばぎばだから」
二人同時に自分達の合言葉を出した。
「二人でね」
「このままやっていきましょう」
二人で話した、そうしてだった。
ぎばさは特にアカモクを食べて言うのだった。
「これが美味しいと」
「私達としてはね」
「本当に有り難いわね」
「私もそう思うわ」
神話生物もぎばさのその言葉に頷いて応えた。
「アカモクが美味しいと」
「それだけでね」
「嬉しいしね」
「随分違うわ」
「仙台そして東北のこともわかるし」
「とてもいいわ」
二人でアカモクを食べる、その海草はネバネバしていてそれでいてシャキシャキとしている不思議でかつ美味しいものだった。
蘇れ東北 完
2018・10・27
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